テレビのモニターに目を向けるとそこで繰り広げられていたのはユニコーンの試合。優勢なのはユニコーンのほうで円堂達は食いつくように真剣な眼差しを向けていた。私はその姿を夕食の片づけをしつつ横目で見る。

終了のホイッスルが鳴り響いて出た結果はユニコーンの勝利。インタビューが始まって顔馴染みであるマークが落ち着いた様子で試合の喜びを語った。そのあとに出てきたのはミスターゴールとまで呼ばれるようになってしまった幼い頃からの友人のディランだった。あいつも頑張ってるんだなぁ、なんて物思いにふけっていると不意に私の名前がモニターから響いた。

『名前、見てくれてたかい?』

あーはいはい。そりゃ見るわよ、イナズマジャパンのマネージャーだもの。
届きもしない答えを心の中でポツリと呟いた後、モニターから聞こえたいつもの声に私は絶句した。あの野郎、普通言わないだろうって言うことをさらりと言いやがった…!

「名前ってお前のことかー?」

平然とした様子で私に問うた円堂の言葉を遮るように手にしていたお皿が綺麗にバリンと割れた(というより割ってしまった)。それを合図に私は宿舎を飛び出してあのバカのいるスタジアムへと足を急がせるのだ。

『名前、I love you!』

これほどまでに恥ずかしいと思う事は一生ないだろう!


羞恥心もありゃしない

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