異常なほどに冷えた風介の部屋にコンビニで買ったアイスを片手に入った私は何も考えられなくなっていた。何よ何よ!いいい、いきなりそんな背後から抱きついてきて!

「こうすれば多少は違うだろう?」

…じゃないわよ、このバカ!全然違うわよ心臓バクバクよどうしてくれんの!?触れる風介の肌がひんやりとしているはずなのに温かく感じて。人肌って温かいもんだって改めて理解して相変わらず心拍数上がりっぱなしで。恋人でも何でもないただの、おお幼馴染みなのに普通抱きついてくるか、もう私も年頃なのよ!

ぎゃーぎゃーと脳内でそんな自問自答と風介への批判を連発しているところではっと我に返る。規則正しい寝息が背後から聞こえたからだ。

「っ、抱きついたまま、寝るなんてっ」

本当にバカじゃないの。バカバカ、私の心情知らないからって私のペース乱しすぎだよ、バカ。ぽつりとそんな事を呟いてはみたけど片思いの相手をそんな風に邪険には結局できなくて私の心拍数はさらに上昇していく一方だ。


片思い彼女

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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