上の空。最近のロココはいつもそう。あの子が向こうのチームに戻ってしまってからかな。…ロココ、あの子が好きなんだろうな。

(…報われない)

私も、彼も。一方的に思うだけで通じ合う事はきっとないだろうから。

「どうして悲しそうな顔してるの?」いつもの無邪気な声が少し不安そうに聞こえた。いけない、ロココに心配かけちゃったかな。

「な、んでもないよ。ちょっと考え事してただけなの。心配しないで?」

「泣いてるのに心配するななんて、無理だよ」

頭を軽く撫でられたかと思えば、視界は真っ暗。ドクドクと脈打つ音。ロココの、腕の中。あまりにも温かい腕は思ってた以上にがっしりとしてて男の子、なんだと再認識させた。涙がぼろりと落ちた。惚れた弱みなんだろうけど何も言葉を発せない。優しすぎるんだよ、君は。

「自分の好きな子が泣いてるんだから」

何、それ。今更すぎる。おかしいな、私の勘違いだったんだ。

「私は、ロココが」


彼の腕はあまりにも温かくて

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