「マルコ、これをフィディオに渡しておいてほしいんだけど…」

そう言われて受け取ったのは綺麗にラッピングされた箱。
ああ、またか。自分で言うのも虚しいけど相変わらず損な役回り。

君は少し頬を赤くして「よろしくね、」と小さく手を振って去る。
俺も笑顔で手を振り返した。仕方ない、か。彼女から受け取った箱の底から小さな手紙が落ちる。

差出人は、俺。確かにそう書かれている手紙を拾い上げて恐る恐る開いてみた。少しの間、止まったんじゃないかと思った心臓は大きく脈を打ち始めた。

「…すごく、先手取られたような気がする」

なんて間接的なメッセージなんだ。そんな事を思いつつ先程去った彼女を急いで追いかける。

『マルコが好きだよ、異性として』一文の破壊力は抜群だ。


間接的××

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -