大体それでいいんじゃないの。適当だっていいんじゃないの。彼女にいろいろ相談してみようと思えば返ってくる答えは大抵この二言のどちらか。

「本当に大雑把だな、お前って奴は…」

「デモーニオが几帳面っていうか真面目なだけだと思うんだけど」

人がお前を頼って相談してるっていうのに。のんきにオレンジジュースを口にする彼女に溜息をひとつ。「デモーニオは気張りすぎなんだよ」ぽつりと彼女が呟き始めた。

「完璧とか追い求める事はいいことだけど好きな時に好きな事やって笑ってればいいんじゃないの。泣いちゃえばいいんじゃないの」

どうせ完璧なんてできないんだし何かは省かれるんだからさ。彼女のグラスに入ったオレンジジュースはどんどん減っていく。

「…お前の言ってることが正論すぎていたたまれない」

「そう?まぁ…気楽に考えりゃいいんじゃない?みんなで楽しそうにサッカーやってるデモーニオ、私好きだよ」

飲み終わったジュースのグラスに残った氷が、カラリと揺れた。ああ、適当な奴のくせにどうしてこんなにも俺を困惑させるんだ。


No logic

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -