触れてみたいとか、手を繋ぎたいとかそういうのは男女関係なく誰もが思う事、だと思う。

「源田、率直に聞いてやる。お前は苗字とどのくらい進歩したんだ?」

両手を俺の肩に置いて真剣に問う佐久間に少し驚いた俺は返答に戸惑う。間が空いた頃、近くにいた辺見や咲山や成神達の溜息が一斉に吐き出されるのだ。

「その調子じゃ進歩してねーだろ、源田?」

「キスどころか手も繋いでないのは二ヶ月も経っててどうかと思うけどな」

ぶつぶつと不満を漏らす辺見と佐久間。対する成神と咲山はさらりと爆弾を放った。

「源田先輩が苗字さんの事大切にしてるのは十分に分かるんッスけどねー」

「大切にしすぎるだけで進歩しないんじゃいつ離れるか分からないからな」

…納得だ、成神、咲山。確かに感情がこのまま動かないなんて保証はない。いつアイツが離れるかも分からない。さすがにこのままじゃいけないのだろうか。

「俺も思いはするんだけどな、…触れてみたいとか」

「変なところでヘタレてんじゃねーよ源田!」

思いはするけど、などと考えているうちに噂をしていれば名前がやってきた。

「何か面白い話題なの、幸次郎君?」

「いや、…何でもない」

要するにタイミングが大事って問題であるわけで俺が言い出せるようになるのはいつなのか。


要するに

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