風丸がぐっすりとキャラバンの隅で寝ていた。エイリア学園がやってきてからと言うもののまともに休む事さえ出来ていないらしい。きっと心身ともにクタクタなのだろう…風丸以外のメンバーも疲れが顔に出ているみたいだ。なるべく物音をたてないようにしながら近付いてブランケットを掛けてやる。 その場を後にしようとすると自分のユニフォームの裾を軽い力で引っ張られた。振り返ると風丸は目を閉じたままできっと寝惚けて掴んだのだろう。私は仕方なく風丸の隣に腰かけた。 「ん…苗字…?」 「ごめん風丸、起こしちゃったかな」 「いや大丈夫…誰が来たのかと思って」 目をこすりながら私を見た風丸は本当に疲れているようで私は風丸の目を覆うように手を置いてそのまま膝に風丸の頭を乗せた。 「ちょっと待…っ、苗字!」 「いいよ、遠慮なんかしなくても。まだご飯まで時間あるからしっかり休んで」 目を覆っていた手を離すと頬を赤くして恥ずかしがっているのがよく分かった。それが面白くて笑うと今度はむすくれた表情を見せる。私はごめんごめんと謝って話を続けた。 「…身体だけは壊さないでね」 「分かってる。…そんな心配そうな顔するなよ」 「心配なんかさせておけばいいの!」 軽い力で額を叩いてやると叩いたその手を握られておやすみ、と微笑まれた。触れられるだけなはずなのに心臓が大きく脈を打つ。ちょっとは彼女らしい事してあげられたかな?なんて考えながら私もおやすみなさいと声に出した。 彼女らしい事 |