帰り道を歩いているとそこにはずっと残って練習をしている豪炎寺の姿が見えた。ここ最近ずっとこんな調子でいつ休んでいるのだろうと思うほどだ。そんな様子を遠目に見ていると動きに何か違和感を覚える。私は一度救急箱を取りに戻ると豪炎寺に近寄っていった。 「どうしたんだ、苗字?」 「練習は一時中断。足に負担かけ過ぎてるみたいだからテーピングする。ちょっと休んで」 近くにあったベンチに腰掛けた豪炎寺がすまないなんて謝る。別にいいよと返した私はテーピングの作業を進めた。 「謝らなくても私の勝手なお節介なわけだしやりたいからやってるの。…ん、これでしばらくは平気だと思う」 しっかりと固定したテープを切って後始末をした私は豪炎寺の隣に座って後片付けをする。 「練習やるならこまめに休んで様子見ながらやって。出られないんじゃ意味ないし。私も練習付き合うよ」 「悪いな、苗字」 「豪炎寺。ここは謝るよりも違う言葉を言ってくれたほうが私は嬉しいんだけどなぁ…」 「…ありがとう、か」 「よし、どういたしまして!」 私が笑ってみせると豪炎寺も分かりにくいけど少しだけ笑っていて不覚にも心臓が大きく脈を打った。どんどん速くなっていく鼓動を放っておく事が出来なくて私はいつの間にか気恥ずかしい言葉を口にしていた。 「豪炎寺、あのさ」 突然の私の言葉に君も戸惑っていたようだけど、それでもやっぱり大好きなんです。 突発的に口から出ました |