※謙也が思春期すぎる(お下品)

それは登校中のことでした。私と蔵と謙也は毎朝一緒に登校します。
寝坊助な謙也を蔵と一緒に待つこと数分。髪の毛ぼさぼさのまま謙也が出てきた。

「謙也遅いでー」
「待たせてもうて悪かったな」
「悪気があんなら早起きしたらどうなの?」

蔵は優しいからあんまり怒らず(というよりはもう既に諦めているのかもしれない)、私が代わりにけなす。
これもいつも通りの日常でした。

謙也とも合流して学校へと歩いていく最中に、すれ違う事などなければこうはならなかったと思います。

学校まであと数分というところで、えらく美人で、スレンダーで、胸の大きなお姉さんとすれ違ったのです。
私は純粋に綺麗だなと思って見惚れてしまいました。蔵も私と同じだと思います。

「さっきのお姉さん綺麗だったね」
「朝からえらいべっぴんさんと会ってもうたな、謙也?」
「………」
「…謙也ー戻ってきいやー」

そりゃもう鼻の下めっちゃ伸ばしてた。すっげぇ伸ばしてた。
絶対この子如何わしいこと考えてる!なんて破廉恥なの!学校もうすぐだよその緩みすぎた顔どうにかして!

「……あかん」
「何が」
「………言うてええん?」

物事ははっきりしておかないと後からもやもやして嫌なので私は言えば、と軽く承諾してしまった。
それが間違いであったとは気付かずに。

「…勃ってもうたっちゅー話や」
「謙也キモい、本当にキモい、本気で気持ち悪いから近寄らないで」
「謙也さん朝からキモいスわ」
「お、財前おはようさん」
「はようございます、部長」
「ねぇ財前助けて、私明日からこいつと一緒に登校したくない」
「なんなら明日から俺と登校します?」
「蔵と私と財前で行こうか、この盛ってる思春期放置しよう」
「っちゅーことやから、明日迎えに行かへんからな、謙也」
「ちょお待ちぃや!しゃーないやろ!!そういうのに興味ある年頃やねん!!」
「どうせ胸の大きいお姉さんがいいんだろ黙れバカ」
「お前も少しは成長したらどや!!」

謙也の言葉に完全にキレた私はとりあえず一発謙也の後頭部をスクールバッグで殴った。思い切り殴った。謙也が悶絶してるうちに蔵と財前と歩いて登校した。

しばらくの間、口聞いてやんない!

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