自分の名前を呼ばれたような気がして目を開けるといつも通りの四天王としての部屋の中。薄暗い部屋に揺れる光の中に人影が一つ見える。

怒っている様に仁王立ちしているその影を見ようとソファーから体を起こせば、変な体勢で寝てしまっていた為か体の節々が悲鳴を上げて軋んだような気がした。

ごろりと床に転がっている空のワインボトルを丁寧に拾い上げるその姿を呆然と見つめる。不意にゴツンと頭に鈍い痛みが走った。

「寝惚けてません?目、覚めました?」

「っ、痛たた…もっといい目覚めさせ方あると思うんだけどなぁ」

例えばナマエちゃんのキスとかさ。耳元で囁くように言うと、ナマエちゃんに寄り添っていたルカリオが命令なしで蹴飛ばしてきた。…この子はナマエちゃんにべったりで忠実だからなぁ。

「まったく、こんなところで寝ないでくださいよ。挑戦者いないからってダラダラしすぎだと思います」

不健康の証拠ですよ、こんなに散らかし放題で。ぶつぶつと文句を言いつつ片づけを進めるその様子を見ていると自分よりしっかりとしているのが何よりもわかる。それと同時に多分自惚れじゃないと思うんだけど。

「心配してくれてるの?」

返事の代わりなのかルカリオの波動弾が躊躇なく向かってくる。いつもの事だとかわすとむすくれて頬を真っ赤に染めたナマエちゃんはそっぽを向いてしまった。ああ、機嫌悪くしちゃったかな?

「……ギーマさんがしっかりしてくれれば来ませんけど」

その一言を聞いて思ったんだけど、このままダラダラ生活するのも悪くないか。

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