Please say to me

いろいろと切れてしまったものの買い足しをしたくてメンバーに必要なものを聞き出した。マネージャーだし、やるべき事をやりたくて。まだ聞いていなかった源田君の背中に声をかけてみた。

「あの、買い出しに行くんだけど何か必要なものとか…」

「ん、それなら俺も一緒に行く。大荷物抱えるの大変だろ?」

少しだけ口元を上げて微笑む彼に胸を鷲掴みにされる。ああ、惚れた弱みだ。
二人で並んで歩き始めると、後ろから佐久間君の声が聞こえて、手伝うって言い出した。私は全然構わないし、むしろ買いたいものだって結構ある。人数が多いに越した事は、

「悪い、俺たち二人で十分だ」

「あーはいはい、了解っと。悪かったな源田」

一瞬にして思考が止まる。断ったのだ、源田君が。人数が多いほうが源田君の負担だって少なくなるのにどうしてだろう。なんとなく胸のあたりがもやもやしたけれどそれを振り払って前を向く。

「源田君ってさ、鬼道君とか佐久間君とかとよく話すよね。ちょっと羨ましいかも」

「気が合うっていうのが一つだな。俺もあいつらと話すのが好きだ」

嫉妬、しそうになる。醜いかもしれないけれど羨ましかった。声をかけるので精いっぱいな私は何もできない。「けれど、」と源田君が続けた言葉に耳を傾けた。

「やっぱりお前が一番大好きだ」

手にしていた財布がするりと落ちた。そして私も落ちた(もっと深い恋心)

―――
「俺たち二人で十分だ」「やっぱりお前が一番大好きだ」と言われたい


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