Please say to me

ああもういや、なんかもうダメ。完全にへこんだ。
今私はまさにドス黒いオーラを身にまとっているのだろう。
役立たずでもーしわけございませんね、親と口ゲンカして飛び出たものの行き先は見当たるわけもなく。

「何してんだよ、お前」

「……なんだ、不動かぁ」

その言葉が不服に聞こえたのか一発ゲンコツが落ちてきた。痛い。
ブランコにぶらぶらと揺られながら私は俯いた。テストの結果が悪かったために口論へと発展したのだ。
おまけに「役立たず」だとか「何のとりえもないくせに」とかぐさぐさと。
さすがにへこむでしょ、嫌になるわ。

「何しょぼくれてんだよ」

「………えーっとですね、親に役立たずって言われたもんで」

説明してるので思い出してちょっと泣きそうになる。多分悔し涙。ぼたぼた垂れるそれはひんやりしてて、冷たい。

「ばっかじゃねぇの?」

「っ、今の状態で言われると心に刺さる…!」

「お前の基準は高過ぎんだっつってんだよ。もっとてめぇのやってる事に自信持っていいんじゃねぇの?」

ガツン。再度不動のゲンコツが頭に降りかかる。痛みの走る頭部を押さえると、何故か温かさを感じたんだ。

―――
「ばっかじゃねぇの?」と言われたい


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