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ミストレちゃん、ミストレちゃん。昔馴染みの名前を呼べばすごく不機嫌そうな形相でこちらを睨まれた。うわぁ、綺麗な顔が台無し。勿体ないなぁ。 「…その手に持ってるのは何?」 「え、コレのこと?んふふーっ!ミストレちゃんにプレゼン…」 ト。その言葉と同時に自分の顔の真横すれすれに拳が飛んでくる。これでも私は王牙の生徒よ。容易い容易い。さっと避けてべこっとへこむ音がする。あ、壁へこんじゃってら。 「またしょうもないもの持ってきたんだろ!何回男って言えば気が済むんだよ!」 「しっかたなーいじゃん!ミストレちゃん私より似合うんだもん!」 「死ね!」 あらあらひっどい。昔馴染みなのにいつも素っ気ないし、私以外の女の子にはめちゃくちゃ愛想振り撒いてるくせして。皮肉な話よね! 「いーじゃない。昔馴染みでしょ?ね、ミストレちゃん?」 「…あーもう分かった。何言っても名前には通じないもんね」 「時には諦めも肝心って言うじゃない」 「死ねば?」 ミストレちゃんもう一回ガツンと壁を殴ったら更にべこんとへこんでしまった。どうするんだろ、これ。私はなんにも関係ないけど、殴ったのミストレちゃんだし。 「そんなミストレちゃんが好きだからいいんだけど」 言ったら殴られた。素直じゃない! ――― 「死ね!」「死ねば?」と言われたい |