Please say to me

「に、日曜日一緒に出かけよう!」
「えっ、ふ、吹雪君?」

突然彼がそう言ったのは私が円堂と鬼道、豪炎寺と今週の日曜日に出かけると言ったから、だろうか。
私の父がインストラクターでその中でもほぼサッカー専門ということもあってか、私の知識もサッカーだけは深いものだ。
父がやっているからこその配慮もできるし、身に付けた技術は生かすべきだと思う。
そこで3人からの申し出で特訓に付き合ってくれと言われたのだ。
なんだか第三者の視点からの意見を聞きたいとかで。熱心なのはいいことだと思うので私は快く引き受けた。
それをその、お付き合いしている吹雪君に伝えたらこのありさまだ。

「さっきも言ったけど私今週は…」
「名前ちゃんは危機感がなさすぎるよ!いくら熱血なキャプテンやクールな二人だって男だよ!?何してくるか分からないじゃないか!」

男は狼なんだよ!と熱弁する彼。そういえば吹雪君の技、狼じゃなかったっけ。
確かに吹雪君の言っている事は一理ある。この前、吹雪君を私の不注意で怒らせてしまった時は散々な目に遭った。
吹雪君の機嫌を直すのにはずいぶんと時間がかかったのだ。
けれど私を頼った上で声をかけてくれたのに、その信頼を裏切りたくはない。

「…限りある休日だよ?僕だってできるなら長く、名前ちゃんと一緒にいたいんだ。我儘だってわかってるけど、ごめんね」

そんな声で言われたら、縋りつくように抱きしめられたら、私は逆らえないと多分吹雪君は分かっている。
ああ、なんだか手懐けられちゃったな、私も。
3人は練習が終わった時に機会を設けてもらおう。

「ね、吹雪君。日曜日は何処に行こうか?」
「二人きりでいられる場所がいいなぁ」

そうしてまた、限られた時間がゆったりと流れてく。

―――
「に、日曜日一緒に出かけよう!」と言われたい


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