Please say to me

英語の授業は聞く気なんてなかった。
私は一生日本国内にいるつもり。だからつまり英語は必要ない!
それを言い続けて威張ってた結果がまぁ見ての通り、半分の半分くらいしか取れない。

「中学って追試とかないんじゃないのー…?」

追試というよりはもっと勉強しろと教科担任に言われて出されたのは山のようなワーク。ああもう殺すつもりなんじゃないか。うん、頭フル回転したら死ぬ。

「あーまたやっちゃったの?」
「ぐ、一之瀬…!」

一之瀬が机の端から顔を出してにこやかに笑ってる。…お前はさぞかし余裕だからそんな笑みでいられるのだろう。
私はというとめっぽう英語だけはダメなのだ。本当にダメなのだ。
ペンも進んではいないし、そりゃもう体から拒絶反応が…

「そんな名前に課題を出そうと思いまーす」
「一之瀬ぇえええええ!!お前私がどれだけ苦手だか知ってるくせに!」
「まぁ隣の席だからね、英語の授業の時受けてるふりして寝てるの知ってるよ?」
「だったらなんでっ!」

「だからだよ」いつもより低めの声で言った一之瀬に私は反論できなくなった。
一枚のメモを渡された私は左手に置かれたそのメモに目を移す。
書いてあるのはもちろんの如く英文、アルファベット。

「これ、訳して。提出期限は明日だから!」

ばたばたと走り去った一之瀬を横目に私は英文をきちんと見る。
…あいつ、いくらなんでも私をなめすぎだろ!

書かれていたのはごく単純な【   !】

―――
「これ、訳して。提出期限は明日だから!」と言われたい


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