Please say to me

聞いてしまった言葉はあまりにも残酷だった。
少なくとも私にとっては死ぬほど苦しいとしか言いようがなかった。
私の知らない子と仲良くしてて、幼馴染の事どう思ってるのって聞かれて、なんて答えてたと思う?『別に、気にしてないさ』って。

どうせ私の一方通行で虚しくなって、いつも一緒に帰ってたけど、私は風丸の手を振り払う。すたすたと横切っていったら風丸が追いかけてきた。私もそれに合わせて走り出す。
泣いてしまうのがバカらしくて、つらかったんだ。

「私の事、風丸は嫌いなんでしょ…?」

馬鹿馬鹿しく流れる涙が口の中に入り込む。しょっぱい。ふつふつと呟く言葉が本当に弱々しくて自分じゃないみたいだった。

「っ、嫌いだなんて言ってない!」
「全然、私の事なんか気にかけてないもん、ね」

否定してくれる言葉さえ今の私には重すぎるのです。私が重すぎるのかな、なんて考えを巡らせると、陸上部でありサッカー部の彼には敵わないのか手を捕えられた。
懸命の力で振りほどこうとしても抵抗するだけ虚しい。歴然の差。

「お前が女で俺が男で本当によかった…!」
「わ、け、分かんない…!離して、っ!」

すっぽりと腕の中に収まってしまう自分の体。ああ、もうダメだ。私は弱い。

「こうやってお前を捕まえておけるから、だよ」

君の本心が分からなくて、私はどうしたらいいんでしょうか。

―――
「嫌いだなんて言ってない!」「お前が女で俺が男で本当によかった…!」と言われたい


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