それはまぁ、異例の下級ミッションだった。最近は物騒な事もなく平穏。いいことだし、悪くはない。
今までのものはどちらかといえば強化訓練の延長のようなものばかりだし、依頼人も学園内の人間。
私達が受理しようとした時に残っていたのは一つだけ。民間の人からの依頼。内容は、

「3歳から5歳までの子供達のお守?」

そんなバカな、とでも言うようにミストレが声を上げた。正直私も同感だった。とうとう民間ボランティアも入れてきたか。

「詳しく説明すると幼児15名程度の世話の代理だ。外せない会議が重なってしまったらしい。保育園という施設上、親元にも返せないそうだ」

簡単な説明に溜息をつきながら、受理したんだろとバダップを見上げる。彼は一度首を縦に振ると少しだけ困ったように表情を曇らせた。
…やっぱり、表情の変化が前に比べて分かりやすい。そんな事を思いながら「問題あるの?」と私は問いかけた。

「…正直、子供の世話をした事がない。それに子供の考えは想定しかねる。やりきれるか戸惑っている」

「まぁ…エスカバとミストレと私とバダップだもんね…分からなくもないけど。珍しいね、悩むなんて」

「それならサンダユウ呼んでみたらどーだ?面倒見いいし、なんか親みたいじゃね、あいつ」

話し合って悩む私とバダップにエスカバがぼそりと口に出す。それ、名案だと思う。ミッションが行われるのは三日後だからそれまでに準備を進めようという事で解散した。
そうだ、誰かに買い物手伝ってもらおう。

息抜きの話