ライオコット島に到着した。世界予選に出場できる事になったイナズマジャパン。韓国戦は不動君と鬼道君の二人が司令塔として完全に機能しはじめて勝ち取った勝利だった。(不動君、かっこよかった、な)
そんなことばかり考えながら買い出しついでに日本エリアをうろちょろしていると肩を叩かれた。何事だろうと思って振り返れば目の前にいたのは外国の人。え、なんで、私の肩を。

「今暇にしてるの?」

にっこりと笑うその男の人が肩を叩いてそう言った。ああ、下心丸出しってこういう事なのかな。早く宿舎に戻るのが最善かもしれない。

「私、用事があるので、すみません!」

腕を振り払って疾風ダッシュ(風丸君のようにできはしないけど)。息切れして宿舎に戻れば扉の前には膨れ面している不動君が座って私を見ていた。

「遅かったんじゃねぇの、何かあったか?」

「え、っと…外国の人に声かけられて、逃げてきました」

正直言うと怖かったんだ。私は口下手だし、何をされるかわからなかったし。むすくれたままの不動君が近づいてくる。またデコピンされ、る。そう思ったけど不動君は私の予想に反して子供をあやすかのように私の背中を軽く叩いた。

「あの、不動君、」

キスしてもいいかな、と不動君の耳元で口にした。これだけでも本当は精一杯なんだけど私は、不動君が好きで仕方ないから、一度くらいは。そう思って言ったのだけれどやっぱり「バカだろ」って言われた。

「だって好きだから、不動君が」

「…お好きにどーぞ?」

ああ、もう。やっぱり私、不動君の言うとおりバカでもいいや。