嫌味ったらしい大佐が私は本当に嫌い。大嫌い。第三師団に所属してるけど彼が上司だなんて許せない。

「いかにも私が嫌いだという顔をしていますね、ファースト」

「別にそんな事無いですよ。任務に支障を出すのは避けたいので」

嫌味を嫌味で返してやろうと試みてそんな言葉を投げかけると少しだけ。ほんの少しだけ、大佐の表情が崩れた。
私は茫然と、頭一つ分近く背の高い大佐の顔を見上げる。

「ファーストはいい部下だと思っていますよ、少なからず私は」

その微笑は、いつものような張り付いた笑みだったわけじゃなくて、一度大きく心臓が脈を打つ。
はっと思い返った私はすぐにひねくれた返答をしてみせた。ああ、一瞬でも何考えたんだ、私。

「お褒めいただき光栄です、ジェイド大佐」

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