※ED後捏造の話


誰よりも近くに、誰よりもそばに…ごちゃ混ぜになった感情が湧いてくる。長く長く、行動を共にすればするほど互いを分かり合えるし、長い付き合いならば距離感をつかみやすい。

もっと早く出会っていればよかった。そうすればきっと、こんなことにもならなかったよね?

…ローレライを開放したルークはきっともう戻ってこない。どれだけ私が涙を流したとしても、どれだけ怒鳴りつけたとしても関係なんてない。ローレライの光に包まれていくルークを見て手を伸ばしたら呆気なく通り抜けてしまった。それを知ってしまった私は泣く事も出来なかった。信じたくなかったから、何処かへ行ってしまうなんて。

神がいたとしてもしもこの願いが叶うならば私は、

「ただいま、ファースト」

月明かりに照らされるタタル渓谷の花畑に響く懐かしい声。風がふわりと揺れて振り返ってみると淡い光が見えただけだった。

ルークがいないという事実を改めて思い知らされた私は一人、渓谷の中心で膝をつく。彼の笑顔も苦しそうな顔も一生懸命な顔も声も見えなかっただけで私を支えてくれていたんだ。伝う涙がぽろりと零れて軍服に小さなシミを作り出していった。

「私は、ルークに会える事を、願っているよ…」

二年後のタタル渓谷に現れた青年の面影は、彼のようで、彼じゃなかった。

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