今日の夕食の当番は私ともう一人。誰だったっけ、曖昧でちょっと覚えていない。

「ねぇティア。今日の当番ってあと一人は誰だったっけ?」

私の寝転ぶベッドのすぐ隣にある椅子に座って地図を眺めていたティアに尋ねる。もう一人の当番はジェイドらしい。確か隣の部屋でルークとガイと休んでいるはずだ。ジェイドの休んでいる部屋の扉をノックした。しかし反応する様子もなく沈黙が流れる。入るよと一言声を掛けてからドアノブをそっと回した。

部屋の中に入るとどうやらジェイドは寝ていたようで椅子に座っては壁にもたれかかり、規則正しい寝息を吐いている。起こそうと肩を揺すろうとした手を止める。ノックの音でいつもは起きるはずのジェイドが寝ているのだ。

相当疲れきって熟睡したのだろう…と起こすのが何だか悪い気がした。起こさないように向かい側のベッドにそっと腰をかけてジェイドを見る。整った顔立ち。いつもはかけたままの眼鏡を珍しく外している。窓から入り込む柔らかな風がジェイドの髪をふわりと揺さぶった。

なんだかもったいないなぁ…。そう思いつつジェイドの肩を軽く揺すった。少しずつジェイドの瞼が開いていく。目を覚ましたジェイドは目をこすって眼鏡をかけた。ああ、やっぱり勿体なかったかな。と自分の中でぐるぐると思考が巡る。

「どうかしましたか?」

いつの間にか支度を終えていたジェイドは部屋を出ようとしている。先ほどの寝顔を思い出すとなんだか得したような気分になって笑みがこぼれる。なんでもないと笑ってジェイドに言った私はそっと彼の背中を追いかけて行った。

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