※本編ネタバレ注意 崩落してしまったアクゼリュス。何百人もの人が一瞬で消え去った。ティアの譜歌で一行はなんとか助かったけれど。目を覚ました私はティアの私室で寝てしまっていたのだと気付きすぐに起き上がった。すぐそばにある窓からは光は差し込んではいない。私は外へと繋がるドアを開く。 踏み入れた先にいたのは、赤毛の少年だった。 「ルー…ク…?」 その燃えるような赤い髪はルークのものなのだろうが、あの長かった髪はばっさりと切り落とされている。 「ファースト、起きたのか?」 見慣れた緑色の瞳。聞き覚えのある声は刺々しい口調からふわりと優しく変わっていて。 「やっぱ…変、か?」 変じゃないよ。私がそう言うとルークは私に背を向けて語り出した。 「俺さ、アッシュのレプリカだろ?でも俺は作られたとしても俺だ。生まれた意味を知って、ちゃんとしたやつになりたいって思ったんだ」 うらやましい。ルークの前向きなところ。私は自分の目的さえも見失ってしまったから。そう言うとルークはもう一度探せばいいんだよ、と背中を押してくれた。なら私は…自分の意志を強くする、成長させるって目標にしよう。 「自分の目的ちゃんと達成できるか勝負するってどうだ?」 「望むところ。絶対負けないから、お互い頑張ろうね」 私とルークはお互いを見合って、拳を軽くぶつけあった。 |