これは一目惚れだったんだろうか。いや、一目惚れだろう。騎士団には珍しい人。下町なんて気にしない貴族ばかりで構成されている騎士団に嫌気がさしていたのに。

あの日はそういえば買出しに行ってて柄の悪い奴らに絡まれちゃったんだっけ。小さい子がそいつにぶつかっちゃったみたいで怒鳴りつけてて、頭にきて口出ししちゃって殴られかけた。それを見つけた騎士団の人が割って入って助けてくれた。それ自体が珍しいことだ。

貴族出身の騎士団員は絶対に下町の事に目を向けない。助けるなんて尚更のこと。礼を言っただけで名前も聞くことができなかった。ただ、覚えているのは綺麗な金髪で優しい表情をしていた事。下町の出身か、それとも違う街からきたのか。少しだけ、その人の事が気になった。

綺麗な髪、優しそうな表情。下町の出身で騎士団。名前はフレンさんというらしい。少しずつ心拍数が上がっていくように感じるのは、本当に彼に恋をしているからなのか。それともただ単に嬉しさが込み上げているだけなのだろうか。

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