「なぁ鬼道、お前の幼馴染の苗字ってどんな奴なんだ?」

「あ!俺もそれ気になる!」

豪炎寺が唐突にそんな事を聞いてきて円堂が便乗。着替えていた手を止めて少し迷った。
苗字はサッカー好きか!?目を輝かせて言った円堂にどちらかと言えば好きなほうだろうと曖昧な返答。
どうせあいつにとっての一番はバスケだろうからな。…それにしてもあいつをどう説明すればいいのだろうか。
上手く説明できる言葉が見つからない。

「名前はあまり人と関わるのを好まない奴でな。…正直に言ってしまうとひねくれた奴だ」

「鬼道の幼馴染なら芯のある奴だろうな」

「ああ。それ故に脆い、と言ったところか。どんな形にせよ追求したいと思ったものは追求する」

言葉を言い終えた後、外に目を向けると土砂降りの雨。早く切り上げて正解だったな。
…ああ、でもあのバスケ馬鹿は大丈夫だろうか。