『どうしたらいいか、わからないから相談してもいいかな?春奈ちゃんも一緒だと嬉しいんだけど』

絵文字を全く使っていない至ってシンプルなメールが届く。名前のものだ。
そのメールが入ったのは何時間か前。今は春奈と名前が俺の部屋にいる。
大体名前の相談の内容には見当がつく。

「風丸のことか」

名前は少し俯きながら首を縦に振った。

「すごく、傷つけちゃったんじゃないかなって。…甘えてたの、風丸君に」

へらりと笑顔を浮かべた名前は自分にとって一番残酷な言葉を口にした。

「私みたいな疫病神と一緒にいたら人気者の彼に申し訳ないよね、やっぱり!」

「…じゃあ、じゃあどうして今、名前さんはっ!」

泣いてるんですか!?もらい泣きしそうになっている春奈の大きな声が室内に響く。
泣いている本人はその事実に気付いていないようでそっと頬に手を当てた。

「どう、してだろ…おかしいな、何で…?」

涙出るし、なんか辛いし、風丸君の事ばっか気にかかるし。
その言葉に俺と春奈は顔を見合わせた。これで、筋が通るな。こいつが悩む理由。

「それは名前が、」「好きだからですよ、風丸さんのこと」