所属チームはプロミネンス。バーン様は何だかんだ言って優しいから私は何も苦痛を感じる事なくサッカーができてる。だけど不満はひとつだけ。私はガゼル様と恋仲である、はずなのに。



(…また、楽しそうに話してる)



グラウンドの使用時間が終わり、ダイヤモンドダストの人たちと交代した私は茫然とグラウンドに目を向けた。ガゼル様が私と話をしている時は少しでも笑ってくれたことなんてない。…嘘、なんじゃないか。私とガゼル様が恋仲であることなんて。



「エイリア名、聞きたい事あんだけどいいか?」



「あ、はい。大丈夫ですよバーン様」



エイリア名がバーンと何やら話をしているのがグラウンドの上に見えた。真剣そうな眼差しで何を話しているのかは分からないが胸がざわつく。バーンと喋っている時のエイリア名はよく話すのに私と話す時はあまり声を出してはくれない。…本当にこれで恋仲と言えるのだろうか。



(…今日、少しだけでも話せたらいいな)



バーン様との話を終えてもう一度グラウンドに目を移せばガゼル様とぱちりと目線が合った。私は反射的にそらしてしまいそうになったがそのままガゼル様を見つめた。正直言うと泣きそうで、嫉妬してる自分に嫌気がさす。



「練習が終わるまで、待っていてくれないか」



ガゼル様の言葉が耳元に届いて、間抜けな声を出してしまえばガゼル様はふいと顔をそらして少しだけ頬を赤く染める。思う事は同じだけどすれ違ってしまっていただけなのかもしれないと今更思った。



「…はい、ガゼル様!」



ガゼル様が少しだけ、にっこりと笑ってくれたのを見れてそれだけで幸せな気がした。



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