空港からコトアールエリアに行こうとしたんだけど急いでバスに乗り込んだら着いたのは何故かアメリカエリア。どうしてこうなったんだと思いつつ、観光しちゃおうかなとお店を見て回っていた。コトアールへのバスの時間までまだ余裕があるし、大丈夫大丈夫。



まず私はそう思っていたこと自体が間違いだったらしい。ええ、それはもう見事に。



「…バス停、何処だっけ」



さすがに酷く落ち込んだ。自分の方向感覚のなさを呪いたいほどに。バス停があると思って歩いたはずなのに着いた先はスクラップ置き場。ああもう、監督やみんなと一緒に付いていけばよかった!あとから行くなんてしなければこんなことには!



「名前!!」



ぐすんと泣きじゃくっていれば耳に届いた馴染み深い声。ロココの声、だろうか。でもわざわざなんでアメリカエリアに。そんな思考の中で顔を上げれば見慣れた褐色の男の子が肩で息をして立っていた。



「心配したんだよ!すぐにどこか行っちゃって…」



「ロココ、なんで、ここに」



どうせ迷子になると思って空港まで迎えに行ったら案の定別のバスに乗り込んでて、追いかけてきたんだよ、と。私はその言葉を聞いて安心しきってロココにしがみついた。そうするとロココは笑いながら頭を軽く叩いてきて、「帰ろうか」って優しく言うんだ。



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テーマ「人外ファンタジー」
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