喉乾いたんじゃない?そう言って手渡されたのはスポーツドリンク。

ご丁寧にタオルまで渡してくれたのはいいけれど。

彼女の飲みかけのスポーツドリンク。ああ、これって飲んだら関節キス、になるんじゃないか。

彼女は結構サバサバしていてあんまりそういうのを気にするタイプではないのは理解している。

だからと言っても、その、ちょっと照れるっていうか、何だか複雑な気持ちになる。



「ね、まさか間接キスとか考えてる?」



もしかして、最初からそのつもりで。



「そういうこと言ってからかわないでくれよ!」



きっと今俺の顔は真っ赤なんだろうな。彼女がけらけら笑ってる。

あのさ、フィディオ。唐突に彼女から名前を呼ばれた。

真っ赤になった顔をタオルで少し隠しながらぶっきらぼうに何、と返す。



「私が飲みかけの飲み物渡すのなんて好きな人ぐらいだよ」



さすがにそのくらいの羞恥心は私にもあるからね。

はにかんで言った彼女の前でドリンクを口にしてから俺はそのまま彼女の唇にキスをした。



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -