あったかいと呟いた名前はごろんと芝生の上に寝転がった。汚れちゃうよ、と言ってみたけれど気にしないタイプだしと一言。そんな名前の隣に腰かける。



「一之瀬、やばい。私眠くなってきた」



「え、こんなところで寝ちゃうの?」



「うー…それもそれで新鮮だと思うんだけど」



新鮮って、こいつは。うとうととしている名前の体をちょっと起こして俺の膝の上に頭を乗せる。これならあんまり汚れないだろ。そう思いながら名前に目線を落とすと名前は顔を真っ赤にしながら目をそらす。どうかした?そう聞けばどうかした、じゃない!って真っ赤な顔で怒鳴る。恥ずかしがり屋だなぁ、本当に。まぁそんなところが好きなんだけど。



「ふ、普通はさ、逆じゃん。何だか気恥ずかしいというかなんというか、ね」



「いいの。俺眠くないし。それに名前の寝顔見れるんだし一石二鳥」



「やっぱり寝るのやめる!」



がばっと勢いよく起きた彼女は俺の手を引いて甘いもの食べに行こうって張り切った。それが照れ隠しなんだろうなぁ、なんてすぐに予想はついたけれど。それでもいいやって思ったんだ、君といられるなら。



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