「あの、さ、風丸…」

呼ばれて振り返るとぎゅっと鞄を握りしめて俯いているお前の姿が見えた。どうしたかと問いかけてみると戸惑ったように慌てる。それが何だかすごく可愛く思えてしまう。

風丸、とさっきより大きな声を出して言ったお前は少しだけ口ごもった後にようやく言葉を紡ぐ。

「その…手、つなぎたいなぁ…なんて思って、」

珍しく積極的な発言をしてきたお前にどんどん上がる心拍数。まさかお前から手を繋ぎたいと言ってくれるなんて思わなかったから。手を握りしめてやると体温がじんわりと伝わってくる。幸せそうに目を細めるお前がすっごく可愛かった。

「嬉しいな、風丸がちゃんと恋人つなぎしてくれるから」

「当たり前だろ?俺達付き合ってるんだから」

そうだね、と頬を赤く染めながら微笑んだお前を見るとこっちまで気恥ずかしくなってきた。


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