放っておけない




光謙




部活の帰り突然雨が降った
傘持ってきてへんってイライラしとったら
謙也くんが俺の傘に入りやぁ〜て
ニコニコしながらいうてきた。なんで傘持って
きとるんやろ…朝むっちゃ晴れとったのに
なんて思ってたら実はこの間だ傘を忘れて
そのままだったって笑っていった
アホやなぁなんて…でもそこが可愛いって思った

傘に入れてもらい
一緒に帰ってると、電柱の真下に
ダンボ-ルがポツンと置いてあった

(…あれ?朝…こんなんあったかな?)

なんて思って通り過ぎようと思ったら
謙也くんが、ちょっと傘持ってて
っていって俺に傘を預けてダンボ-ルがあるとこ
まで走っていった。なにしてんねん


「……なんやぁお前…捨てられたん?
まだ子猫なんに…ったく誰やねん…捨てたの」


…そのダンボ-ルの中には子猫と
貰ってくださいっていう手紙が入っていた
その子猫は寒さでブルブルと震えて縮こまっていた


「謙也くん…風邪引きますよ」

「……………うん」

「………可哀相なんわ分りますけど
俺らにもどうもできないでしょ」

「せやけど…」

「…どうにかしたいって気持ちがあるんやったら
最後まで面倒見る覚悟があるんですよね?」

「…」

「一時的な感情で拾ってもろうても
猫にとったらえぇ迷惑とちゃいますの?」

「そうかも…しれ、へんけど…っ!!」


どうにかしたいやん!
ってボロボロ泣きだした
…あぁもう本当に…この人は…


「この、まんま…ほっといたら…
死んでまうかも…しれへんやんか…っ!!」

「…」


なんでこう優しいんやろうか
俺にはとうてい理解出来ない


「うっぐ…嫌や…生まれて…すぐ…
 捨てられて…そ、んなん…耐えられへん!」

「…………っスね」

「…なぁ!光…助けたい!!
こんまんま…ほっといたら…お、俺…絶対に後悔する!!」

「…」


謙也くんらしいといえば謙也くんらしい
本当に優しすぎる


「ったく、しゃ-ないですね。
とりあえず…病院行きましょ…」

「……ひかる!」

「っあ、猫に触ったらあきませんよ」

「…?」

「触ったら情が移るから」

「………う、ん」


やからダンボ-ルを箱ごと持って
雨の中病院へと向った








それは、雨の中の出来事









実話といえば実話かな
謙也が友達ポジション、僕が光ポジション…
おばあちゃんにね、捨て猫とか捨て犬とかに
昔から触るなっていわれてた
情が移るからって…最後まで面倒を
見る覚悟がないなら絶対に触るなって

友達は猫好きだからほっとけなくて
雨の中ず―っと、どうしようどうしようって
泣いてた。でも家では飼えなくて…だから
最終的には親にいって病院に連れていこうって
事になった。…どうしてるかな猫ちゃん…今頃

ってなんか暗くなった!Σ
すんません…