ためし


けんひか





「あぁぁ…」



と1人、頭を抱え込んで机に伏す
それを見た白石は頭を撫でながら聞いてくる



「…どないしたん?」

「いや…最近なぁ…ゆっくりできんなぁって」

「まぁな受験とかあるしな」

「それもあるんやけど…」


そこまで言うて言うのをやめた
そしたら白石が俺の頭を撫でるのをやめ
“分った”といってニヤニヤしだした


「…なんやねん」

「財前やろ」

「…っ」

「ほら」


白石は勝ち誇ったような笑みを浮かべて
また俺の頭を撫でだした


「まぁ…むこうも部長を引き継いで大変やからなぁ」

「…せやねん…もうずっと時間が合わんくて2人っきりに
 なる時間とかないんや」

「…あ、せや」

「…ん?」

「今日な、なんや部活休みらしいねん」

「なんで?」

「さぁ?そこはよう知らんけど今日は時間あるんやし
 久々にゆっくり2人で話しでもしたらどうや?」


いうて白石は“ほな、俺保健室行ってくるな”っていって
教室からでていってしまった


「…」


う-ん…どないしようかな
2人でゆっくり話せ言われてもなぁ
―あっせや、放課後誘ってみよ!よし!!















そして放課後
俺は光のクラスまで迎えに行った
そして光の姿を確認すると“光ぅ!”いうて手を振った


「け、謙也くん!?」


光は、まさか来ると思ってなかった
っていう顔をしながら俺の傍に走ってきた

(可愛えぇ…)


「なんで?なんでココにおるんスか」

「今日、部活休みやろ?」

「そうっスけど…なんで知ってるんスか?」

「白石から聞いてん…ってあ、それより
 今日…一緒に帰らへん?」


いうたら光は顔を真っ赤にして
コクンと頷いた


「…っ!」

あかん、あかん、あかん、あかん!
平常心や!平常心!!

やけどっ可愛いすぎる!抱きしめたい!今すぐ
抱きしめてちゅ-したい!


俺の頭ん中はもうずっと帰り道そればっかり
がグルグルグルグル浮かんでいた


「…謙也くん」


するといきなり光がギュって抱きついてきた


「…っえ?な、なん?」


いきなりの事で俺がテンパってると
光はプルプルと震えだした


「なんで…なんも喋らんの?」

「…え」


あれ?光…涙目


「どないしたん?」

「…」

「光?」

「なんで…なんも…喋らんの?…
 久しぶりに一緒に帰れると思うたのに…
 なんで喋らんの?俺の事…好きやなくなった?飽きた?
 ……………嫌や!…謙也くん…!嫌いにならんといてっ」


と急に泣き始めた


「えっえっ?ちょ、光…」


もう訳が分からずとりあえず頭を撫でる
“嫌いにならへんよ”“好きやで”っていって
安心させる、せやけど中々泣きやまへん


「…ほんま…どないしたん?いうてみ?」


いうて俺は近くの公園に行ってベンチに座らせ
落ち着くまで…光は話してくれるまで待つ

…こんな感情、剥き出しにして
わんわん泣くなんて初めてや…

ちょお…嬉しいんやけど、どないしよう

って思っとったら光が
今まで下を向いていた顔を上げた


「…光?」

「謙也くん…」

「…ん?」

「俺な…寂しかったんスわ」

「……え」


なんともいえぬ辛そうな顔をして
そういった


「…部長引き継いで、毎日毎日忙しくて
 謙也くんとの時間…なくて…俺が…会いたい日が
 会っても謙也くん…受験生やし邪魔したらあかん思うて
 電話もメ−ルもしようって思うたけどそれも出来んくて
 …それで…不安になったんです」

「…不安?」

「…ハィっこんな事で寂しがってたら
 この先…やっていけへんかもって…謙也くんが高校
 行ったら…それこそ今よりもっと時間がなくなるでしょ?
 …それに高校行ったら謙也くん、俺の事捨てて
 恋人作るんちゃうかなって…もう俺の事飽きるんかなって
 いろんなこと…思ってそう思ったら寂しくて辛くて…やから」

「…もうえぇ聞きとうない」

そういって俺は光を抱きしめた

「………謙也くん?」

「そんな事、聞きとうない!俺が高校行ったら
 恋人作るだとか飽きるだとか…そんなんありえへんちゅう話しや!」

「…せやけど」

「なん?光はもう俺の事好きやあらへんの?」

「…………………好き」

「せやろ?俺はそう思っとってくれとるだけで
 えぇねん、それで十分や!もちろん俺も光の事
 大好きやで!好き!むっちゃ好き!それになコレからも
 変わることなんかないし変えるつもりもあらへん
 俺はな…正直高校行ったらもちろん時間もないし中々会えへん
 し、むっちゃ寂しいけど…やっていける自信…あるよ」

「………謙也くん」

「寂しかったら電話でもメ−ルでもなんでも
 してこい!気遣うなんてお前らしくないで!
 俺も寂しくなったらいつでも会いに行くし電話も
 メ−ルもするで!………………それで、あかん?」

「………………ぅっ」


光はまた泣きそうな顔になり
目尻に涙を浮かべた


「なん?今日の光は泣き虫やなぁ〜」

「ぅっ…さ…い…っスわ…!あんたが…うっぐ
 カッコえぇ事…いぃよる…からや!あんたのせいや!」


いうて光は俺をギュっと
抱きしめ返しまたわんわん泣いた


「(ほんま可愛えぇやっちゃ)」

「うぅっ」

















安心して


I love you for a long time

僕はずっと君を愛するよ











翌日

(…あれ?なんや財前…目真っ赤やない?)
(…………そうか?)
(なんかあった?)
(…べ、べ、べっ別に?)
(…………そうか)

コレはなんかあったな






―★

あぁぁぁぁっ長い←え
光を泣かせるつもりなかったのに
泣かせちゃった…^p^

―光はね、不安だったんだよ
謙也が自分の事好きじゃなくなるんじゃないかって
いろいろ考えてるときに謙也が迎えに来て
嬉しくて嬉しくてどうしようもないのに
謙也が中々喋ってくれないから、不安になって
とうとう泣きだしたっていう…

可愛えぇ…←え