守るために


山ヒバ(+10)



この10年で彼は変わった。
彼はバットを持つことをやめ、
人を殺す武器となる、刀を持った。

メジャ−リ−ガ−という夢を捨て
人の夢や、将来を奪っていった。
(人の事、言えないけど)

あの、中学の頃に楽しそうにして
野球をする彼の姿を応接室から見るのが
好きだった。すごくキラキラしてて見ていて飽きなかった。
でもいつからか彼は、そんなキラキラした
ような目じゃなく、人を殺す…殺気を放った
あの頃の彼の目じゃなくなった。

彼が昔、「マフィアごっこ」とか
そんな事…言ってたけど今じゃもう、列記としたマフィア。
いつ、死んでもおかしくない環境にいる。
でもそれはしょうがないと思う。死んでもそれは
ただたんにそいつが弱いだけ。死にたくなかったら強くなればいい。


―――だけど。


「ねぇ」

「ん?」

「弱くならないでよ」

「……?おうっなんか分かんねぇけど。
 もっともっと強くなっていつかヒバリを超すんだ」

「…っは。無理だね、一生無理」

「酷えぇ!」

「だけど…まぁ精々頑張って」

「おう!」


僕は思った以上に彼が「死ぬ」のが怖いみたい。
…だから僕も強くなるんだ。守るために。


END


あとがき


……なんかいいたい事が
伝わってない気がする…。