苦手な雷

蔵謙




ポツポツ


「うあぁ…降ってきたなぁ〜」

「そやね」


部活の帰り道、辺りは真っ暗で空は曇り空。これは降るな
って思うて謙也と少し早歩きで俺んちまで行きよったら
とうとう雨がポツポツと降り出した


「謙也、俺んちまで走るで」

「――っえ!?あ、おん!!」


俺は謙也の手をとって俺の家まで全力疾走で走る
……可愛えぇな。手繋いだぐらいで顔真っ赤にして…


「謙也、顔真っ赤や」

「…う、うっさい!!それよりはよ前見て走れや!!」

「ハィハィ」


なんでこう可愛えぇんやろうか。





俺の家に着いて少し雨で濡れた髪を俺の部屋で
金髪の少し痛んだ謙也の髪の毛をタオルで拭いてやる

…痛んどるんやけど…綺麗なんよなぁ…謙也の髪って

「…蔵…なにジ−っと見とるん?」

「…ん?いや、謙也の髪の毛綺麗やなぁって」

「―――っな!?そ、そんなん蔵の方が綺麗やし!!」

謙也はまた顔を真っ赤にしてそういう

「ありがとう謙也」

って頭を撫でてやる。謙也にそういわれるのは嫌いやない
むしろ好きやけど…やっぱ謙也の方が綺麗やと思う
そう思いながらまたタオルで拭いてやると………


ゴロゴロゴロゴロゴロっ


「―――――っ!?!?」

「…っ」


雷が鳴り目が一瞬チカチカっとした


「デカいなぁ…どっか落ちた?…って…ん?」

「……っ」


いつの間にか抱きついている謙也の姿があった
謙也はガタガタと震え怯えていた


「…謙也?どないした?」

「…っう…」


ゴロゴロゴロゴロゴロゴロっ!!!


「――――っ!!!!!」

「…」


また雷が鳴る。すると謙也はビクンと震え
俺を抱きしめている力をさらに強めた


「………もしかして…雷…怖い?」


って聞けばコクコクと頷いた


「…大丈夫。俺がおるし…な?」

「………うん」


するとまた謙也が頷いたと同時に
今までよりもデカい音がした


ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロっ!!!!!!!


「――――っ!!!!うっえ…く…ら…もう嫌や!」

「大丈夫、大丈夫や、謙也」

「う…ひっぐっ…ぐす…ぅえ…いや…」

「大丈夫、大丈夫」



謙也が落ち着くまで俺はずっと何度も何度も
大丈夫って俺がおるって抱きしめながら


背中を擦る





謙也が雷ダメだったら萌えるよね←