けんくら





「白石、ホレ」

「…なん?」

「ラブレタ-」

「俺に?」

「当たり前やん」

「誰から?」

「…1組の桃井さん」

「……あぁ学校1可愛いゆう…」

「そう」

「…いらん」

「え?」

「いらん…返してこい」

「いや、自分で返せや」

「……やだ」

「なんでやねん」

「返しにいったら絶対に
 返すタイミング逃して告白される」

「…そうか」

「大体…俺は」

「ん?」

「人伝っちゅうのが
 気にくわん…ちゅうかなんで
 謙也に頼むねん、他のやつでえぇやろ」

「…」

「なぁ謙也…このラブレタ-
 燃やしてもえぇかな?」

「…なに物騒なこと
 いうとんねん、あかんやろ」

「……謙也は嫉妬してくれへんの?」

「ん?」

「俺がこんなんもらって
 嫉妬…してくれへんの?」

「……するに決まっとるやろ
 こんなん俺かて渡したくなかったわ
 こっそり捨てておこう思うた」

「……酷いな謙也」

「お前のほうが酷いやろ」

「……………そうか?」

「そうやろ」





といいながら
そのラブレタ-をビリビリと破いた





(可愛い嫉妬でしょ?)







―★

あれ…なんか
酷い…!!?

 









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