大きな落雷の音で、ようやくわたしは目を覚ました。隣にはレオンが倒れている。デルラゴ戦は無事に決着がついたらしい、よかったよかった。

あれから、きっとわたしたちはこの古びた小屋で何時間も倒れていたのだろう。制服が乾ききれずに若干だけれど湿っている。立ち上がって窓の外を見てみると、外は既に真っ暗。おまけに窓を打ちつける強い雨と、時折光を放つ雷で、外に出る気力がどんどん失われていく。



(制服乾いたらまた濡れるはめになるのね…)



「うっ……ぐっ…」

「あ、レオン…!」

仰向けのまま静かに倒れていたたレオンが、突然苦しそうに唸り出した。わたしは慌てて駆け寄り、レオンを抱き締めた。

「大丈夫、…大丈夫だよ」

苦しみで顔を歪めるレオンの耳元で、何度も囁いた。手を強く、握った。わたしがいるよ、大丈夫だよ、と優しく。しばらくするとレオンの呼吸は落ち着き、一定のリズムを刻み始めた。



(よかった…)



安らかな眠りにつき始めたレオンの髪をそっと撫でていたら、なんだか無性に愛しくなってしまって。辺りを何十回も確認し、誰も見ていないから大丈夫だろうと頬に軽くキスを、。…した瞬間に、レオンの瞳がぱっちりと開いていたことに気付いた。

「ぐは!!!!」

「名前…」

「あ、ああ、お、おはよううう」

「声裏返ってるぞ。俺たちいつから此処で…」

「え、えと…ろ、6時間くらいから…?ここで2人して気を失ってたみたい」

「あの眩暈からか。それよりお前、今…」

「あ、わーっレオン!な、なんと!こんなところに置き手紙があるよっ」

「…なんだ、そのわざとらしさは」

さっさと話題を切り替えようと、とにかくベッドに置かれていた手紙を素早く手に取った。恐らくエイダからの言伝だろう。



“滝には、ある重要な物が隠されているわ。

それがあれば、アシュリーを教会から救出できるはずよ。

ただし、教会へ戻るルートには、エルヒガンテと呼ばれる何かが用意されているから注意しなさい。

ところで、あなたの身体に起きている異変だけど、残念ながら、もう私の手には負えないわね。”



「エルヒガンテかぁ…」

「知っているのか?」

「い、いや!知らない!なにそれ美味しいの?」

「…まぁいい」

レオンはどうにも附に落ちない様子で、再び手紙を読み直しながら考え込んでいた。そういえばこのときレオンは、この手紙がエイダから宛てられているとは気付いているのかな。なんて考えていたら、長らく聞いていなかった通信機の音が鳴り響く。レオンは手紙を読みながら通信機を差し出してきたので、わたしは黙ってそれを受け取った。

「もしもしハニガン…?」

『全く、2人して6時間も連絡をよこさないなんて。一体どうしたの?』

「…2人で気を失ってて」

『もしかしてさっきの…』

ハニガンが言いかけたところで、横から通信機を奪われてしまった。レオンは「今は問題ない。任務を続行する、じゃあな」とあっさり通信を切るなり立ち上がれば、さっきの手紙をポケットに乱雑に突っ込んで。

「…行くか」

「はーい、」
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