眩しいあなたに
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ところで僕は今血だらけなんだけど、
ってこれは僕のじゃないよ。咬み殺した奴らのだよ。所謂返り血ってやつだね。

・・・なんだけど、。




『駄目じゃないですか雲雀さぁん!!こんな怪我なんかしちゃって!!!』
「いや、これは」
『格好良いとか私思ってないですからね!?思ってないんでもうこんな怪我なんかしないで下さい!!』

君の思ってる事なんてどうでもいいよ。

しかも、なんでストーカーにこんな説教されなきゃいけないんだろう。
僕は内心で壮大なため息を吐いた。
この僕がコンクリートの壁に背を預けて女子に言い寄られてる場面なんて、一体誰が想像したろうか。
冷や汗までかいてる僕って一体・・・
ってそうじゃない、そうじゃないんだよ。

何故こんな状態になったかと言えば、
僕は普通に群れを咬み殺してて、
今回の草食動物はやけに反抗してたから骨が粉砕するまで殴りつけた。
で、そろそろ眠くなってきたから帰ろうと思って帰路についたらコイツに捕まった訳だ。
僕は何も悪い事はしてないのに。
なんでこんな目に遭わないといけないの。迷惑すぎるよ。


嗚呼それよりも誤解を解かなければ。

「違うよ」
『はいぃ?』
「この血。僕のじゃない。故に怪我もしてない」
『じゃ、じゃあ、コレ・・・』

言えばまじまじと返り血を見つめる葵。
あ、そういえば、と僕は肝心な事を思い出す。
コイツ、普段の行動が逝っちゃっててあまり頭に入らなかったけど、バリバリの一般人だったんじゃないか。
きっとドン引きするだろう。そして僕の前に二度と姿を現さないだろう。そしたらもうすぐに帰れるし一石二鳥じゃないか。

何でかな、少し気分が落ちてしまった。
どうでもいいはずなのに、ね。

未だにじろじろ見ている葵は震えてる。これは怖がっている証拠だろうね。
よしこれ以上ここに居ても仕方ないし、帰ろう。

踵を返そうとした僕は、後ろに引っ張られ重力にしたがって落ちた。何でだ。

『そしたら、そしたらっ・・・!!』
「・・・・・・(何この体勢)」

現在僕は、葵の上に仰向けになって横になってる状態。草食動物に見られたらきっと俊足で咬み殺すね。
ちょっといつまで震えてるの葵。最早君の方が怖いって。

『そしたら、』
「・・・・・・」
『"返り血の滴るイイ男"ってヤツに雲雀さんが・・・!!?』


聞いたことないよそんなもの。
あ、でも。

降下した気分が治ったみたい。
・・・何でだ。



眩しいあなたに
(でもドス黒く眩しいっていうか、)







「"水も滴るイイ男"じゃなくて?」
『水は乾くまで時間がかかります。しかし血はあっという間に渇いてしまう・・・』
「・・・・・・で?」
『つまり"返り血も滴る以下略"は至極短い時間の快楽!!そこに美を感じないでどうしますッ!!!!』
「・・・・・・・・・・・・」

前言撤回、コイツはやっぱり普通じゃない。


END.
いつの間にか、
彼女がいるのが当たり前のように。
この連載に原作の雲雀さんはいません←


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