はじめてかもしれない
「あーまじダリィ」 『長期休暇中の登校日って嫌だよね』 「嫌とかそんな次元じゃないよコレは!死亡宣告されたようなもんだし」
それは言いすぎではないのか。でも私はツッコめない。 なぜなら、
少し前に彼(+α)がいる、から。
親友2人と私で登校するのはこれが初めてじゃない。学校の時は毎日だ。 そして前にいる3人組も、いつも学校では一緒にいるのを見る。
沢田、獄寺に、山本。
いつも騒いでいるからウチの学校で知らないやつなんか居ないぐらい有名。 登校時間は同じぐらいなんだけど、毎回僅かな時間の差で一緒の通りにいることはなかった。
で、私たちはそれぞれ1人ずつのファンって事。 近くに好きな人がいたら皆少しテンパるよね。
実は言っちゃうと私の好きな人は山本、だったりする。
だって野球してる時の顔とか、真剣な顔ってすごいドキッと来るんだよね。 ・・・あ、別に顔ファンって訳じゃないけど。 ただ、前に少しだけ話した事があったんだけど、彼は聞き上手っていうか・・・話してるとすごく楽しくなる。
だから、好き。
「あっそーだっ驟雨〜今日部活遅れんなよ!」 『えぇ〜・・・』 「ちょ、えぇ〜って何事だし!?」 「3年引退したんだから私等レギュラーなんだぞ?」 『・・・い、今左の親指巻爪でさあ・・・』 「「どっちの左?」」 『あ、足・・・』 「バッッッカ!」 「ギター関係ねえじゃん!」
・・・あ、ちなみに私等軽音楽部です。私ギター担当で。
「これでドラムだったらまだ分かるよ!?ギターって!!」 「ってそしたら私巻爪んなったら危ないじゃん」 『そうだね、危ないね』
頭が。
「・・・驟雨、馬鹿っしょ」 『え?』 「今おもいっっっきし、聞こえてましたよォ五十嵐驟雨すゎ〜ん」
間。
『火事だぁ〜逃げろお』 「・・・いや、熱くないし・・・むしろ極寒・・・・・・」 夏なのにね。 「お前のせいだからなっっ」 「フフフ・・・なーにを召喚しようかなあ?」 『・・・ま、真っ黒』
どっから出したんだその魔道書・・・。
と、私たちは前に好きな人たちがいるのを忘れて、いつもどおり騒いでいた。
ら、
「プッ・・・くくくくく」 「〜〜〜っっ」 「・・・ッ!ッ!!〜〜」
わ、笑ってる! 私たちは色々ショックでぴたりと止まってしまった。所謂"石化"ってヤツだね。うん。
「っははは!面白いのな〜」
顔を真っ赤にしてこちらを指差す、山本。獄寺は未だに腹を押さえて爆笑してて、沢田は顔をそらして口を押さえ震えている。
「なあ、今度のライブの時もそんな感じのコントやってくれよ!絶対ぇ皆笑うって!」 『あ、うっ、うん・・・?』 「ばっ何了承しちゃってんだよ!」 「わたっわたたたし噛みすぎて言えないっつーんだよテメーゴルァ」
「ぶはっ」 「ぷっっ・・・くっッ!・・・!」
「ははっほらそんなのがウケんだって」
はじめてかもしれない 君とこんなに喋ったの
5000打っ激感謝です! こんなジュックジュクの未熟者ですが・・・ これからもよろしくお願いしますっっ
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