ゴクデラ




「大体、なんでいきなり掃除なんだよ・・・」

先程からツナがぶつぶつ言っているのは、今朝の蓮華の事である。
急に『掃除三昧だぜおるあああ』なんて言われたってどう対処していいのか分からない。
蓮華ちゃんってもっと落ち着いた子だったよね・・・?ツナの願望という名の記憶が脳内を巡った。

「んー・・・」

朝から良いこと無いなぁ。
ツナはため息を吐きながら通学路を歩いた。






「今日は2人、このクラスに転入生が来るぞ」

どーん!という効果音(先生の趣味)でどーん!と告げた言葉。
途端、クラスメイト達は一瞬静まってから喜んだ、楽しそうな顔になる。

この時期に突然っていうのもなんだか不気味だなぁ・・・とツナは思った。

「男子と女子で1人ずつだ。美男美女だぞ」

・・・あれ、なんか嫌な予感がするぞ?
女って、まさかまさか・・・!!
ツナの予想は当たりまくっていた。

「よし、入ってきてくれ」
ガラララ、という音を立てて入ってきた2人。
並中の制服―――なのだろうか?ぶっちゃけ、2人とも校則違反だらけだ。


女子の方は
コバルトアッシュのストレートロングヘアー
ワイシャツは第3ボタンまで開け
長い袖を折って7ぶ袖
その下には黒いレースのついたキャミソール
銀のブランド物と思われるネックレス
その上からダークグレーのボタンベストを着用
スカートは膝上20センチ
その下には膝上10センチまでの黒スパッツ
右足の太ももにホルダーに装着した折りたたみ式の銀のストック

男子の方は
銀髪
吊り目
ジャラッジャラにぶらさげた銀のネックレス
ワイシャツの下に赤いTシャツ
腰パン



「(完璧不良の格好じゃん!!!てか蓮華−!!?)」

ツナは顔を青くしながら頭を抱えた。
それにも気づかず蓮華はニコニコ笑顔を振りまいている(まぶしいっ!)

『あっ!ツナだぁー!!』

蓮華はそんなツナも知らず笑顔で手を振った。

「は、ハハハハハ・・・もうどうでもいーや・・・」
ツナは諦め気味で手を振り返した。


「獄寺隼人君と、神谷蓮華さんだ。皆仲良くしてやれよー。
と、席は―――っておい、獄寺!?」

先生が直々に2人の紹介をし、席を指差そうとすると獄寺が勝手に動き出した。

「(・・・!!ってなんか俺の方に来てるし!!?)」
「・・・・・・ッ!!」

ギロッ。獄寺の鋭い目がツナを射た。
ガンッ!!とツナの机が思い切り蹴られる。

「!!いたっ(こええええええええ!!!)」
「こら、止めんか獄寺!!!」

とりあえず、その場は先生の仲介によって抑えられた。

「獄寺は真ん中の後ろの席。神谷は・・・そうだな、沢田の後ろだ」
『はーい』

相変わらずのニコニコ顔な蓮華は、すさまじく輝いたオーラを晒しだしながらツナの後ろの席についた。

『これからよろしく!!それとご愁傷様・・・へへっ!』

ツナがはじめて蓮華に殺意が湧いた瞬間だった。






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