アヤマル
翌朝、蓮華は見慣れない天井を目にして戸惑った。
『・・・ここ、』 どこだっけ? その疑問は直後響いた悲鳴によって解決させられた。
『大変だねぇ、ツナ・・・』 「そんな哀れんだ目で見ないでー!!?」
リビングに行くと目元がパンダの様になったツナがいた。所々絆創膏が貼ってあるのが見える。
『首元に貼ってあると妄想が膨らむぜ・・・』 「何の話ーーー!!!!?」 「変態なだけだぞ」 『ただの変態じゃない。変態の女神様だ!!』
もう駄目だこの人。ツナは切実にそう思った。
『・・・あれ、ツナ学校は?』
ふと、蓮華は今疑問に思ったことを聞いた。 現在の時刻は9時30分過ぎ。もう1限目が終わった時間だろう。
「え?今日は日曜日だけど・・・」 『・・・はっ?』 え、嘘、私の感覚では今日木曜日だったはずなんだけど・・・っ!? 蓮華は口をパクパクさせた。
「恐らく、蓮華の世界と俺たちの世界の時間軸は違うんだろうな」 リボーンが最もな事を言った。 『じゃあ聞くけど・・・今日、何月何日?』 「え・・・っと、今日は、3月4日だよ」
『・・・じゃあ、こっちの世界の方が約11日早いんだ』 蓮華はポツリと呟いた。
蓮華は、寂しさを感じていた。 家族と離れたという事もあるが、"世界"という名の・・・壁。 自分はどうしても、どうやってもイレギュラーなのだと・・・思い知らされた様だった。
神様は、笑っている。 こんな無様な私を見て、嘲笑っている。
「・・・・・・どうした?」 『っ!?い、いや・・・何でもないよ』
急にリボーンに話しかけられ、蓮華は飛び上がりそうになった。 その黒真珠の様に輝いた、大きな瞳が蓮華を射抜いていた。
『・・・なんかさ、』 「・・・」 『こう・・・やっぱり私は、異質な存在なんだなって・・・思って・・・・・・』
最後の方は、声が小さくなってしまった。 言っているうちに蓮華のテンションは落ちてきて、しまいには眉間に皺をよせるほどになった。
「何で、異質だ何て思うんだ?」
リボーンは蓮華に聞いた。
『・・・私はこの世界の住民じゃないから。未来を知っているなんて、可笑しいでしょ?』 「そうでもねーぞ。んな事言っちまったら、全国の予知能力者達は皆イレギュラーじゃねーか」
リボーンは笑いながら言った。
『そういうニュアンスじゃないよ・・・。私の場合、世界を渡ってきたんだから・・・。 しかも、その世界が漫画に出てくるなんていう所から』 「・・・・・・お前は、1度叱られないと分からないタイプだな」
すると、今度は蓮華が笑いながら言った。
『どの世界の子供も、1度は叱られないと分からないんだよ』 突いた言葉は、誰が聞いてもいい訳の様なものだった。
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