ぷよぷよ教教祖ユキノメカミ様4

僕はきょとんとする意外にない。
この人が言っている事の意味の半分もわからないし、ぷよぷよさんは今だってぷよぷよさん自身の意思によって階段を上がっているし、僕の意思とはまったく関係ない。
むしろ、僕がぷよぷよさんによって動かされているのだ。
自分ではろくに移動もできないし、こんなところに来たくないというのに連日つれてこられている。
そんなわけでもちろん、こんな僕に目的なんてあるわけがない。

「あはー、だんまり、か。・・・いい加減にしろよ?その綺麗な顔に傷なんてつけたくないだろ、う・・・?」

ぐ、と近づいてきた男の人は、僕の足の先を見て、く、と小さく、ほんの小さく息を呑んだ。
取れてしまったのは膝から下だったのに、最近僕の足はどんどんと黒く、ボロボロに崩れてしまっている。
自分でも気持ちのいいものではないのに、男は固まったまま、まじまじとそこを見つめてくる。
真っ黒な足の先からぐちゅぐちゅと黄色く臭い液が落ちるのを見て、やっと男は顔を上げるとなんてことはないように僕に呟いた。

「アンタ、それ、壊死してる。放っておくと死ぬぜ?」

死、というのは、真っ暗で何もないか、真っ白で何もないかのどちらかだ、と昔どこかで聞いたことがある。
なので死という言葉を聴くと、僕はあの天を見上げていた時か、真っ暗な部屋にいる時か、どちらかを思い出す。
そうしていつも、それなら僕は天を見上げていた時、暗い部屋にいる時、死んでいたのだろうか。と深く深く、考えてしまう。

「・・・それとも、死にたいの?」

死んではいなかったと思うけれども、生きているともいえなかった気がする。
ぐるぐると考え事をしていると、いつの間にか男が僕の顔をじぃ、と覗き込んでいた。
自分が死んでいるのか生きているのか分からない僕は、その問いに答えることができない。
しばらく見つめ合ったままだったが、ふいに、ふわり、と唇に暖かい感触が押し当たった。
そうしてそこから体中に何かとんでもないものがぎゅうう、と巡り始める。

「・・・・っ、ぁ、っ、」

「あはー、本当に綺麗だね、ユキノメカミさまって。死にたいって言うんならこの身体、俺様がもらってもいいよね?」

「!!!佐助っ!この馬鹿がっ!こんな時に何をしているっ!」
- 4 -
[*前] | [次#]
ページ:

トップに戻る
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -