ぷよぷよ教教祖ユキノメカミ様1

僕を最初に見つけのはぷよぷよさんだった。
その時僕は、毎日毎日きりが無いほどに天から落ちてくるものを、毎日毎日飽きる事なく見上げ続けていた。
それ以前の事はなんだかぼんやりしていてなかなか思い出せないし、思い出す事はおそろしかった。
じっと見ていると自分が天に上がっていくような気がするのがおもしろいし、他にやることがないし、お腹も減っているしで本当に毎日毎日、ただ天を見上げていた。
頭と睫にたんまりと白いものがのっかって、手と足と頬がビリビリしてくると寝床に帰るのだけれど、その日は帰ろうとしてもなんでだか足が全然ちっとも動かなかった。
膝まですっかり天から降ってきたものにうまってしまって、ビリビリを通り越して何も感じられなくなった足は、上へ上がれ、と何度も思ってもピクリとも動かない。
そのうち尻餅をついて背中も白いものにうまってしまい、僕は全身を天に向けることになってしまった。
これは、とても、気持ちがいい。
全身がビリビリに包まれるけれど、足と同じでしばらくすると何もかんじなくなる。
ああ、僕が天に溶けていく。
あまりの気持ちよさに、僕はとうとう気を失ってしまった。


ぱちぱちという音で目が覚めると、そこは僕が寝床にしていたところの何倍も綺麗で、何倍も広いところだった。
僕が埋まっているのは白く天から降ってきたものではない。その時はなんて呼ぶのかわからなかったが、布団、綿が入って暖かい、上等な布団に包まれていた。
近くにたくさん火鉢があって、きょろきょろとその明かりに照らされた周りを見回すと、すぐ近くに座って汗をたくさんかいて舟をこいでいるぷよぷよさんがいた。

ぷよぷよさんとは、その名の通りにぷよぷよしている人の事だ。
今まで僕が見てきたのは、がりがりと枯れた木の枝のような人ばかりだったので、生まれて始めてみるぷよぷよさんのそのぷよぷよっぷりを、僕は一目で気に入ってしまった。
頬から顎まで丸い円を描き、そのまま体にくっついている。
首がぷよぷよのせいで見えないのがなんともかわいい。
腕は僕の腿よりもぷよぷよで、指なんて川魚の腹のようにはちきれそうだ。かわいい。
体を起こしてぷよぷよさんの上下に揺れるお腹に触れようとしたら、船を濃いでいたぷよぷよさんが目を覚まし、僕はびっくりしたのとなんだか体がおかしいのとで、ごろりと布団の上に転がってしまった。

そして、ぷよぷよさんはそんな僕を見て大きな叫び声を上げる。
ぷよぷよさんの声で部屋にあった襖という襖からぷよぷよさんと似た雰囲気のぷよぷよさんが飛び込んできては、僕を見て涙をながし、よかった、目を覚ましてくださった、瞳を開けたところもなんと美しい、これで我らは救われる、と手を合わせて頭を垂れる。
一体全体どうなってしまっているのか全然わからなかったけれど、僕は僕の周りを取り囲むたくさんのぷよぷよさんにとってもご機嫌になり、凍って取れてしまった膝から下の痛みなど、すっかり忘れてしまった。
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