学園TS物語3


カチン、と固まってしまったままの幸村とまことの動きを再開させたのは、のんびりとした佐助の声だった。

「旦那ぁ、裸で何してんの、早く入りなって」
「い、いや、お、お、俺はいいっ!後で入るっ!」

わたわたと脱衣所に戻り、服を漁りはじめた幸村の背中に佐助は呆れたような声をかける。

「なぁに言ってんのさ、そんな事したら片倉のセンセに見つかっちまうって。まさかそんな汗臭い体して風呂入らないってのはナシだぜ?てかさ、旦那もまこちゃんに背中でも流してもらってさぁ、裸の付き合いしてちょっとは打ち解けた方がいいんじゃないの?」
「なっ?!そ、そ、そ、そのような、は、は、破廉恥な真似ができるかっ!」
「破廉恥って・・・。旦那も少しは元男のまこちゃんの胸を借りてさぁ、女慣れしておいた方がこれからの為にもなるんじゃない?あ、まこちゃんだって風呂上がるって言ってるけどまだ身体洗ってないでしょ?あそこのボディタオル、濡れてないし」

急に話をふられてギョッと振り返ったまことに、佐助はにこやかな笑みを返す。
確かに自分の持ってきたシャワーグッズは綺麗なまま洗面器に入っている。

『こっちの佐助さんも変なところで目ざといのは一緒だ─』

まことは真っ赤になった顔を困ったように歪ませどうしようかと立ちすくんでいたが、尻をむんずと掴まれて「ひゃ、」と小さな声を上げた。

「いいじゃねぇか猿。Cherry Boyは汚ねぇ体のまんま部屋でこの身体を思い出してマスかいてりゃいいんだ。ほら真田、さっさとそのDoor閉めて逃げ帰れ。風が入って体が冷える」

右の尻たぶを政宗の大きな固い手でぐいぐいと揉みしだかれ、まことがそのくすぐったいような、むず痒いような感覚に逃げ出そうと身体を捩じっていると、半開きだった脱衣所のドアがパシーンと勢い良く開かれた。

「逃げ帰るなど!某は・・・いかなる敵にも一歩も退かぬ覚悟・・・っ!」

そうして怒っているのだか照れているのだ分からない真っ赤な顔をした幸村は、のしのしと胸を張って風呂場に足を踏み入れ、立ち竦むまことを視界に入れないように顔を逸らしながら湯船に飛び込もうとして佐助に「ちょっと!ちゃんと体流してから入ってよ!」と叱られる。
ムッと唇をへの字に曲げたままかけ湯を浴びている幸村を見て、佐助と政宗は「・・・扱いやすい野郎だな」「まぁ一緒の湯に浸かるだけでも進歩でしょ」と耳打ちあい、未だ立ち竦むまことに視線を移した。

「・・・だから伊達のダンナ、その手つきとかもセクハラおっさんみたいだってば。いい加減放してあげなよ」
「セクハラってのは、相手が嫌がってないと成り立たねぇんだよ。オイまこと。お前、オレにこうされるの、嫌じゃないだろ?」

You see?と右の口角だけをクッと上げ自信に満ちた表情で笑う政宗に、まことはぶんぶん首を振りながら「い、嫌です・・・!放してください!」と尻を揉む手を掴んで振りほどこうとする。
その間もまことは胸元はしっかりと隠しているのだが下の方は無頓着で、ふっくらと盛り上がった恥丘に淡く茂る下毛が湯の中で揺れているのが二人の視線に晒されていた。

「・・・まこちゃんってなんか異様に胸元のガード固いよね」

その分下はゆるいけど。と佐助は尻を掴んで放さない政宗の手の甲をぎゅう、と抓り上げてまことを開放してやると「早く身体洗っちゃいな」と薄く政宗の手形のついた尻たぶを撫で上げる。

「ひゃ、ンッ、もう!佐助さん!・・・・・・・・・でも、ありがとうございます・・・」
「痛てぇ!猿!放せ!」

政宗の手から逃げ出したまことはこちらに向かってくる幸村と一瞬目が合ったが、お互い顔を真っ赤に染めると慌てて視線を逸らし、幸村は湯船に、まことは洗い場にとギクシャクした動きで向かっていった。
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