続・プチトリ!12


心配そうに声をかけてくる小十郎の横をフラフラと通り抜けると、まことはまたおぼつかない足取りで脱衣所に逃げ込んでいく。

「小十郎さん、こじゅうろうさん、こじゅうろ、さん、」

今度はガラス戸が音を立ててもまことの理性は戻らなかった。
小十郎さんの身体、大きくて、がっしりしていて、自分のひょろひょろのものとは違う、大人の男の人の身体だった。もの凄く格好よかった。
いくつかびっくりするような傷跡もあったけれど、それよりも着物の上からでは分からなかった盛り上がった腕の筋肉、割れた腹筋、形のいいおへそ、タオルに隠れる手前の下腹部、全部格好よくて、いやらしかった。
ぽたり、と小さな音がして床に目を向けると、自分の緩んだ口元から溢れ出た唾液が糸を引いて垂れ落ちていた。

「あ、う・・・」

拭っても、飲み込んでも、頭の中に小十郎がちらつく度、いくらでもじゅわりじゅわりと唾液は沸いてきて、まことは自分の身体がおかしくなってしまった事に気付く。
自分をおかしくしてしまう程小十郎さんは素敵で、いやらしい。
そして自分をこんなにおかしくしてしまっているのに、小十郎さん本人はあんなりすっきりとした顔で自分に「大丈夫か?」なんて問いかけてくるのだ。

「こじゅうろ、さぁん・・・こじゅうろうさんのいじわる・・・」

おぼつかない火照った身体を動かし服を脱ぐと、ペニスからもだらだらと先走りが溢れていた。
また蒸れた精臭が鼻先に漂い、その匂いに益々身体を熱くさせながらまことは風呂場に飛び込みぴっちりと戸を閉める。
そうして胸に篭っていた息を付く間もなく、濡れそぼったペニスを握りこんだ。



「はぅ、あうぅ、こじゅろさ、こじゅうろさぁん!もっと、もっとなのぉ!おちんちん、まこのおちんちん、もっとぐちゅぐちゅってしてぇ!」

古いがいつも佐助が磨き上げている明るく清潔な風呂場には、ぶちゅぶちゅと濡れた音とまことの蕩けた喘ぎ声が響いていた。
最初は壁に寄りかかり、小さく鼻声を漏らしてペニスを扱いていたまことだが、次第に足から、噛み締めていた唇から力が抜け、タイルの上に崩れ落ちると幾度も小十郎の名を呼びながら腰を振る。
うっとりと閉じた瞼の後ろには、手足が自由に動く小十郎に押さえつけられ、身体中をこね回される自分が映っていた。
あの太い腕に大きな手の平。自分の生細い身体など、簡単に動けなくしてしまうに違いない。
そうしてペニスに触ってくれと哀願する自分をあの鋭い瞳で見下ろし、呆れたようなため息をついて、「お前は本当にスケベだな」と低い声で囁かれ、視線とは裏腹に優しい手つきで身体中を撫でてくれるのだ。

「ぁ、ぁ、こじゅろ、こじゅうろ、さ、ぁ、手、こじゅうろおさんの手、きもちいいよぉ・・・ンッ、アッ、アッ、アッ、」

でも、小十郎さんは意地悪だから、やっぱりなかなか触ってくれないかもしれない。
あの大きくてゴツゴツした手のひらは、きっと自分の太腿を掴み込んでしまうだろう。
逃げられないようにがっちりと掴まれて、大きく足を開かされ、いつまでも触ってもらえずにいる、溶けていやらしい先走りを溢れさせているペニスをあの鋭い目つきで見つめられたら・・・。
そうだ、前は乳首だって見られてしまった。いや、見せてしまったのか。
そっと瞳を開いて胸元を見下ろすと、あの時と同じようにぷっくりと腫れた乳輪から赤く尖った乳首がはみ出していた。
汗なのか、零れた唾液なのか、その乳首すら濡れそぼっててらてらと淫靡に光を反射していて、その光景にまことはぶるりと身体を震わせる。

「ぁ、ぁ、まこ、まこのおっぱい、えっちだよぉ・・・すごいの、すごくやらしいの、小十郎さん、まこのおっぱい見てぇ、見て、またほっぺたでちくちくっていじわるしてほしいよぉ!」

ぞりぞりと小十郎の髭が触れた時の感触を思い出し、まことはペニスを扱く腕を縮めると二の腕に乳首をこすり付ける。
くにくにと乳輪が捏ねられ握ったペニスは小さく戦慄くが、どこかじれったい感触に髪を振り乱して首を振り、幾度も小十郎の名を喘ぎ呼ぶ。

「こじゅうろさ、ぅ、こじゅうろうさん、い、いじめて、まこのおっぱい、いじめて、えっちないじわるがいいの!やらしいいじわるがいいのぉ!」

さっきのような寂しくなってしまう意地悪は嫌だ。
もっと直接的な、身体が熱くなる意地悪をして欲しい。
例えばそう、やめてと泣き叫ぶ自分を押さえつけ、このはみ出ている乳首に触れて、何度も何度も舌でつついて、ぷっつりと真っ赤に大きく育てて、そんないやらしくなった肉芽をあの鋭い瞳で見つめられたら─。

「───ッ、ふぁ、ぁああああ、ヤッ、ヒィ、ン、」

想像の中の小十郎の視線は二の腕の刺激よりも激しくまことの乳首を刺し、ペニスの奥を引きつらせた。
くぷり、と尿道の穴が開き、開いた足の太股が痙攣する。

「こじゅろ、しゃん、で、るぅ・・・ッ」

尿道の奥がじぃん、と痺れたようになり、勝手につま先に力が篭って丸まっていく。
瞼の後ろが真っ白に染まり、身体を緊張させた瞬間、バン、と大きな音を立て、まことの座り込んでいるすぐ横、風呂場の扉が開いたのだった。
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