続・プチトリ!17


抱き合った二人は目を瞑り、頬を合わせたまま荒い息を吐き、しばらく身動きが出来なかった。
三度目の射精だというのにまことの精液の量は多く、出し切れていない体液が尿道からだらだら漏れ溢れていた。
小十郎の精液も勢いよくまことの全身にふりかかり、自分の体液と小十郎の体液が重なった下腹部でぬちぬちと捏ねられ、交じり合い、タイルの床に糸を引いて垂れ落ちていく。
全身にかけられた、熱い飛沫にまことはうっとりと目を開き、すぐそばにある小十郎の瞳を覗き込む。

「こじゅうろうさん・・・まこ、あついの、すき・・・」
「まこと・・・。・・・・・・・・・っ、まこと?!」
「まこ、あついの、すきで、こじゅうろうさんのことも、す、・・・ひゃ?!」

まことの告白を聞いて、小十郎も眉間の力を抜きそのまろやかな頬に手を伸ばそうとした時だった。
ふ、と目に付いた見慣れた色に小十郎は顔色を変え、そんな小十郎にがしりと肩を抱かれて惚けていたまことはビクリと体を揺らした。

「っ、ッ、まこと・・・お前大丈夫か・・・?!いや、これは、俺・・・、俺なのか・・・?」
「こじゅうろ、さ?どうし・・・」

まことの全身に触れながら、小十郎がどこか呆然とした声を出す。
尋常ではないその様子に、どうしたのだろう、とまこともぼんやりとする視界に瞬きをすると、見慣れない色が目に入り息を呑む。

「・・・?・・・──ッ!ヒッ、」

自分の身体が真っ赤に染まっていた。
胸元に飛び、乳首に絡まった粘液も、ヘソに溜まった熱いものも、すべて赤黒い。
タイルにはいくつも赤い水玉ができ、今もたらたらと自分の下腹部からそれを垂れ零している。
そ、と頬を拭われ、視線を向けると、目の前の小十郎の指先には赤いものがこびり付いていた。

「お前とは・・・逆、俺は・・・精も血になるのか・・・?」

愕然と呟く小十郎の声は、まことの耳に入らない。
全身を染める赤いものを目に入れた瞬間、まことの耳にはキィン、と聞きなれない高音が響き、脳裏にあの壮年の男性の笑顔が浮かぶ。
シュラリ、と透明な刃物が鳴る音が聞こえた気がした。

「───あ、ヤ、」

先程胸元に感じた熱は、なんだったのだろうか。
本当に小十郎の精液だったのか、しかし自分の体は真っ赤に染まってしまっている。
これは血で、自分の体から流れているのではないのか。
あの熱は、胸元を、あの刃物で切られてしまったから──。

「っ、おい、まことっ!おい!まことっ!」

どこか焦ったような小十郎の声が遠くに聞こえる。
まことはその声に返答をしようと口を開くも出てきたのは小さなうめき声だけで、熱く燃えるような胸元の苦しさに、とうとう意識を飛ばしてしまった。
- 137 -
[*前] | [次#]
ページ:

トップに戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -