プチトリ!10


自分の股座に潜り込んだ少年は取出した一物を視界に入れた瞬間に、たまらないとばかりに熱い吐息を漏らし、戸惑いなくそれに赤い舌を伸ばした。
拘束されたまま散々暴れていた小十郎は軽く息を乱していたが、それが尺八をされた為だと思われないようにぐっと息を呑む。
先程までの緊張を忘れ、何やら分からぬ矜持を守るのに必死になっていた。
どうしてこんな事になったのか、これも何かの策略なのか。
自分を辱め、弱みでも握るつもりなのか。
そう先ほどからこの状況の理由を考えてはいるものの、答えなど一向に出るはずもなければ初対面の何者かわからぬ男にこんな事をされているというのに、自分の一物は拙い舌技に次第に固さを増してきていた。
衆道は耳で聞いた事があるくらいで自分の身近にはなかったものだ。
何がそんなに嬉しいのか、丸い瞳をうっとりと潤ませ、涎を垂らしながら同性の性器を嘗めしゃぶる少年の姿に、小十郎は嫌悪を感じると同時に官能を擽られる。
小さな舌がねっとりと亀頭を嘗め回し、先に開いた穴に吸いついたかと思えばじゅう、と啜られる。
その合間にもやわやわと指先で幹を扱かれ、技術も緩急も拙いが、無心に己の物をしゃぶる少年を見ていられなくて視線を反らす。
その先には捲れ上がった上着の裾から覗く、なだらかな尻が揺れていた。
ぶちゅ、と濡れた音がして目を凝らすと、その狭間には細い指が埋め込まれている。
こいつ、男の物を咥えながら自分で穴をいじっていやがる、と気付いた瞬間、小十郎はカッと自分の一物に血が流れ込んでいくのが分かった。

「ンッ?!グ、ぷ、は、・・・っ!」

咥えていた亀頭がぐん、と自分の上あごを突いたのに、まことは苦しそうにペニスを吐き出す。
しかし、自分の唾液で濡れそぼった男のペニスが天を衝く勢いで勃起しているのを見て、ぶるりと大きく身体を震わせた。

「ぁ、ぁう、おにいさんのおちんちん、おっきいの・・・。ぁ、ぁ、ン、まこ、まこおにいさんのおちんちん見てるだけで、身体、おかしくなる・・・」

ほら、見て、と舌ったらずに呟きながらまことは上着を脱いでゆく。

「まこのちくび、男の子のなのにね、ぁ、おにいさんのおちんちん見て、こんな、こんなにおっきくなっちゃうのっ・・・」

言葉通り、自分の乳首は男のペニスを咥える前からシャツを押し上げてジリジリと種火を燻らせていた。
薄暗い部屋では男は自分のこんなにはしたない乳首には気が付かないだろうという安堵と、それとは真逆の残念だと思う気持ちが入り混じっていた。
だって、この男の人がどんな人かはわからないが、乳首を見られても罵倒されるかもしれない口は塞がれているし、イタズラされてしまうかもしれない手は絡められている。
男の鋭い視線がジッと乳首に注がれて、まことは先ほどまで触れていた尻穴のずっと奥がジクリと疼いたのを感じた。

「ンッ、ア、っく、ひぃ・・・おっぱい、まこのおっぱい、ツンってしてるでしょ・・・?ぁ、まこ、まこね、ここ見られてるだけで、おちんちんとけちゃうの・・・」

まことは立てひざになって男ににじり寄りながら、後ろに回した指で尻穴をつついた。
その刺激にひくひくと戦慄く穴の縁を捏ねながら、もう片方の手は小十郎の頭に伸ばし、その固い髪を撫で付ける。
男の人に近づけば近づく程、乳首がジリジリと燻られているように熱を持つ。
素面ならば萎縮してしまうだろう男の鋭い視線も、今のまことには乳首を突く細い針のようなものだった。

「おにいさん、まこのおっぱい、さ、さわって、ぁ、ひっヒッ、ンッ!?ン───ッ!」

男の頭を抱えるようにして、ぷにゅん、と乳首が頬に触れた瞬間、視線の針ではない、ちくちくとした固いモノがまことの乳首にじくりと刺さった。
その衝撃にガクガクと身体を震わせると、頬に擦れる乳首もザリザリと固いモノに擦れる。

「ン──ッ!ア、ヒ・・・なに、あ、おひげ、おひげこすれてるのぉ!おっぱいすごいのっ!ひぁ、あ、ぁ、でる、でちゃうぅ、おっぱいでまこ、イッちゃうのぉ!」

乳首への刺激でとうとう勢いのない精液をだらだらと漏らし始めたまことは、ぼんやりとした視点を小十郎に向ける。
かち合った視線は相変わらず鋭いものだったが、その瞳の奥には薄暗い淫欲の色が見えた。

「ぁ、ふ・・・、まこ、おにいさんにご褒美あげるって言ったのに、先にイっちゃったの・・・。おにいさんのおひげ、ちくちくして、痛くて、きもちいい・・・」

先ほど指でなぞっていた無精髭が自分の乳首を擦る感触は、今まで感じた事のないものだった。
いつもの指で摘まれたり、舌で舐め取られ、歯で潰されたりするのもたまらないけれど、このザリザリとした痛いような痒いような、そしてたまに乳首の先に開いている小さな穴を固い髭でつつかれる刺激は、それだけで射精してしまうくらいの快感だった。

「でも・・・」

まだ、まだ足りない、もっともっとたくさん白いのを出したい。この目の前の男の人の白い、あのとろとろも見てみたい。
乳首だけじゃない、お尻の穴もさっきからずっと疼いているのだ。
チロリ、と視線を下ろして男のペニスを見下ろすと、勘も鋭い男がビクリと足を戦慄かせた。

「おにいさん・・・これはね、ご褒美なの・・・」

きゅ、と男の太く、長いペニスを逆手に握ると、まことはその上に尻を落としてゆく。
ぶんぶんと首を振る男の人はやっぱり縛られていて自分に逆らえない。
自分よりも大人で大きな男を意のままにできるという事に、まことは今まで感じたことのない優越感や支配欲を感じていた。
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