プチトリ!6


「わ、んぶっ!?」

まことは中腰の状態で男の長い足に腰を引かれ、そのまま再び男の胸に鼻頭をべちんとぶつけてしまった。
じんとした痛みに、何するんですか・・・と涙目を向けるが、男はふるふると首を横に振るだけだ。
幾度か立ち上がろうとしてはまた戻されてを繰り返し、しまいには腰にがっちりと足を巻き付けられてしまう。

「あの、足どうして・・・。背中、やっぱり解かないんですか?」

やっぱり趣味なのだろうか、とまことは眉を下げ男を見上げるが、そこでもまたふるふると首を振られる。
それじゃあまったく、この人は何をしたいのか、と逡巡するまことの細い腕を、柔そうな指先を、男は暫しの間見つめていたが、やがて何かを決心したようで、まことの腰に回した足を寄せるとぐっと自分の身体にまことを引き付けた。

「ひゃ、・・・っ、っ!ンッ・・・」

力こそ強いがその仕草は優しいもので、男の胸に身体を寄せたまことは思わず頬が熱くなる。
耳を寄せた男の胸元からはトッ、トッ、と鼓動の音が聞こえ、更に汗と体臭が入り混じった男の匂いがまことの鼻に入ってくる。

『・・・男の人の、におい・・・。や、だ・・・、ほっぺただけじゃなくて・・・からだ、あつく・・・』

その体臭にまことの口内にはじゅわりと唾液が沸いてしまい、幾度もこくりこくりと生唾を飲み込んだ。
そうだ、自分は今幾日もオナニーしていない状況なのだった。
それなのに、こんな素敵な男の人とこんなにくっついてしまって、どうしたらよいのだろう。どうなってしまうのだろう。
男の人は着物のような上着を着ていて、後手に腕を結ばれている為目の前の袷が乱れて大きく開いてしまっている。
そこから覗く厚い胸板は、まことが全身を持たれかけても揺るがない。
男を意識し始めたまことの体温は途端に跳ね上がり、どくどくと動悸が激しくなってしまう。

『だ、ダメ、ダメダメダメッ!この人は初対面の男の人で、それに佐助さんのお仕事関係の人なのに、そんな人の前なのに、ダメ・・・、こんな、こんなにおちんちん、硬くさせて、さきっぽから、やらしいの、とろとろって・・・だめ、だめなの・・・だめぇ・・・』

厚手のデニムの生地の下のペニスは熱を持って緩く勃起をしていた。
ペニスが男に触れないように、と身体をずらそうと男の胸に手をかける。

「っ!」

男の肌は、熱くて、固くて、汗のせいか少しだけ湿っていた。
じくん、とペニスの先から尻の奥にかけて、切ないような痛みが走る。
このままではいけない、このままではきっと自分はこの人に失礼な事をしてしまう・・・。
しかし、男はなんとか逃げようともがくまことの腰に足を絡めると、もっと自分とくっつくようにまことをぐいぐいと引き寄せるのだ。
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