プチトリ!2


十日目の今日も、いつもと同じように、どこかふらふらとした足取りで洗濯物を干そうとまことは縁側を歩いていた。
そんなまことを心配がって手伝ってくれると言う幸村に甘え、二人でとりとめのない話をしながら物干し場に向かう。

「うむ!今日は絶好の洗濯日和でござるな!」
「はい・・・。あ、」

おぼつかない足取りのまことがよろ、とよろめき、洗濯籠の上に乗っていた靴下が落ちる。
慌てて拾おうと手を伸ばすが、それより先に幸村が腰を折ってしまった。

「すいませ・・・ん・・・っ」

靴下を拾おうと幸村が背中を向けて屈み、体のラインがシャツに透けて見えた時、まことはそのもんもんとした気持ちが体中に溢れかえってしまい、頭が真っ白になった。
シャツの襟元から見えるしっかりしたうなじ、尖った肩甲骨、シャツを押し上げるごつごつした背骨・・・。
気が付くとまことはその広い背中に圧し掛かり、勃起したペニスと乳首を押し付けながらキスを強請っていた。
ガチンと固まり、真っ赤になってブルブル拳を震わせている幸村からは、すぐにどこからともなく現れた佐助によってすぐに引き離された。
そうして「まこと、どの、いまのは、いったい、」と口をぱくぱくさせている幸村の目の前で、佐助はじゅるりとまことの舌を啜った。
じゅう、と唾液を啜られ、舌を歯でしごかれて、じん、としたそこを今度はチロチロと舌先で優しく舐められる。
ぞくぞくと背筋を走る覚えのある快感に、まことはペニスからとろりとした先走りを流すが、そこに触れようと伸ばした手はがっちりとホールドされ「まこちゃん、言いつけ破っちゃダメじゃない」とすぐに舌も引き抜かれてしまう。

「ぅう・・・!もうっ!もうやだぁ!おちんちんさわりたい、おちんちん、ぐちゅぐちゅってしたいのぉ・・・っく、ひっく・・・」

手首をがっちりと握られ、真っ赤に歪んだ顔を晒しながら、まことはむせび泣く。
まったくもって状況が理解できない幸村だったが『まこと殿が佐助に泣かされている』とそれだけは咄嗟に理解し、「あはー、辛い?そんなに辛いんだったらさ、さっさと俺様に『抱いて』って言えば・・・」と、にやついた顔で何事かを囁く佐助に咄嗟に鉄拳を振り落とした。

つもりだった。

よくよく見ると、まことの乳首がシャツを押し上げているのに気が付いたからかもしれない。そればかりではなく、厚い下穿きの布地さえもペニスで持ち上がり、それが先ほど自分の背に当たった熱なのだと思ってしまったからかもしれない。まことの全身から匂い立つ、桃色の空気に気おされたからかもしれない。
なにはともあれずくりと身体の中心に走った電流に、佐助に落ちるはずだった拳は筋がブレ、その胸元に抱えられているまことの脳天に直撃してしまった。
ゴン!という固い音とともに、衝撃で佐助の胸に鼻をぶつけたまことの「ぶきゅ!」という間抜けた声が上がる。
シン、としたなんとも言えない空気が陽の当たる縁側に広がった。

「ぬ、ぬ、ぬあああああああっ!?まこと殿っ!もももももっ申し訳ないっ!申し訳ないいいぃっ!まこと殿っ!大丈夫か!?まこと殿っ!まことどのおおおおおおぉ!」
「まこちゃ・・・ちょ、旦那っ!振らないで!頭打ってるから振らないで!旦那ッ!落ち着いてってば!あああっ!もう!」

忙しない二人の叫び声をBGMに、まことの意識はもんもんとした熱を抱えながら、真っ暗な闇に落ちていった。
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