オシオキ6

柔らかい服の生地がそっと捲り上げられる感触に、まことはふるりと身体を震わせた。
すう、と空気が直接尻に触れた次の瞬間には、部屋に漂う熱気が擦り合わせた太股の隙間、尻の谷間に纏わりついてくる。

『あ、全部・・・見られてるっ・・・おしり、ちりちりって・・・っ!』

尻たぶが、小さく縮こまっている睾丸が、二人の視線に燻されているようで、いつも佐助さんにされるお仕置きとはなんだか違う、とまことは喉の奥がぎゅう、と閉まるような不安感を覚えた。
何をされるのか分からない恐怖と羞恥に怯えたまことは佐助に回した腕をきつく締め、その固い腹に涙を浮かばせた顔を押し付ける。

「あは、怖い?上からでもいーい眺めだぜ?」

服を捲り上げた先に見える薄い背中には、コツコツと小さな骨の山が出来ている。
熱気で少し汗ばみ、しっとりとした皮膚の下にあるその小さな固い骨に一つずつ触れると、背中に回った腕がぴくりぴくりと戦慄くのがたまらなく可愛そうで可愛らしい。
現状を忘れ、自分に縋り付いて来るまことに佐助がてろりと頬を蕩けさせた時、その手が痛いほどに背中をきつく鷲掴んだ。
何事か、と顔を上げた佐助の目に、白い背中から続くなだらかな円い尻を掴む幸村の武骨な手が見えた。
骨ばった指先で何かを確認するようにそこを撫でているのを覗き込むと、その指の先にはいくつもの赤い跡が散らばっている。

「うっわ、風来坊もやるねぇ・・・」

所有印の内出血だ。
内股から足の付け根、尻の肉が合わさった狭間にまで散る小さく吸い付いた跡はまるで桜の花びらのようで、嫌でもこの所有印を付けた男のへらへらした顔を思い出してしまう。
忌々しげな顔をした佐助と、幸村も同じ気持ちなのだろうか、難しい顔をして指先で跡を擦り、小さく摘んだりしているがその跡が消えることはない。

「ゆきむ、らさ、そこ、くすぐった・・・ひゃんっ!」

敏感な部分の柔らかい肉を摘まれ、擦られ、もじ、と尻を揺らしながら小さく抗議したまことの尻を、佐助はパチン!と平手で打つ。

「まこちゃん、今まこちゃんはオシオキされてるの。わかってる?」
「ごめんなさ、ぁうっ!ひっ!んっ!」

口ごたえは厳禁!とまた一つ、二つ尻を叩くと尻たぶがほんのりと桃色に染まり、慶次の所有印が目立たなくなったのに佐助はフフンと機嫌よく鼻を鳴らす。
自分に縋り付いて来るまことの小さな頭を抱え、指先で耳の後ろを優しく掻いてやりながら、もう片方の手では真っ赤に染まった尻をパシン、と勢いをつけて叩き上げる。
まことの顔を埋めた腹が、涙と唾液でだろうか、じっとりとしめり、荒い息がかかるのが心地いい程度にこそばゆい。
先ほどまでは、ごめんなさい、ごめんなさい、と声を上げていたのに今ではもう喘ぎに近い鼻声しか出せていないまことの顔を掴み上げると、想像通りに涙や鼻水でぐちょぐちょに汚れて真っ赤に火照っている。
ぼんやりとした瞳に焦点が戻り佐助と目が合うと、ふにゃりと顔を歪ませてまたごめんなさい、と小さく呟くまことに『鼻垂らしてるところもかわいいってどういうワケさ!?』と佐助は脂下がりそうになる頬を堪え、先ほどから微動だにしない幸村に視線をやった。
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