オシオキ1

「ほらほらまこちゃん、早く中に入りな?それともここで『お仕置き』してほしいワケ?」

まことと慶次が付き合い始めてひと月が経とうとしていた。
蜜月を過ごす二人はいつも離れがたく、朝から会っているというのに家に帰るのはいつも幸村と佐助に告げた帰宅時刻を大幅に過ぎてからだ。
そろそろ帰らなければ、と携帯の時計をチラリと見ると「まこ・・・もう帰っちまうのかい?」なんて眉を下げた慶次が悲しそうにまことの服の端を掴んでくる。
大柄で、いつも格好良くて男らしい慶次のそんな甘えた姿に、まことはきゅうんと心臓を甘い飴でできたハート型の矢で射抜かれてしまい、ぐでぐでの骨抜きになりながら携帯をポケットにしまってしまう。
それからまたベッドに戻ったり、ただ二人でくっついているだけだったりするのだが、いつの間にか携帯の電源は慶次によって切られており日が落ちて随分経った窓の外を見て、もうこんな時間なのか、とぎょっとするのだ。
そうしてコソコソと帰ってきては、その度にまことは幸村に説教を、佐助には『お仕置き』を受けていた。

佐助の言う『お仕置き』とは尻叩きの事だ。
まことが慶次と『お付き合い』を始めてから、今日のように帰りが遅い、靴を揃えて脱がなかった、ご飯の時に肘をついた、と小さな子に躾をするように様々な理由で佐助に『お仕置き』をされていた。
たかが尻叩き、と最初はその子供に対するような仕打ちに羞恥を抱いたが、「それじゃほら、脱いで」と指をぽきぽき鳴らしながら当たり前のように言い放った佐助に自分の耳を疑った。

ズボンも下着も下ろされ、正座をした佐助の太腿にうつぶせになって寝転び、腰を乗せる。
自然と尻を突き出す格好になりもじもじと体をずらしても、佐助はひょいと腰を抱えなおしてますます尻を高く掲げる事になってしまう。
尻を叩かれるのは、音こそ派手だがそこまで痛みはない。
それでも佐助の固く冷えた手が自分の尻に当たり、乾いた音を立てて柔い肉を刺激していると思うと、身体がどんどんと火照りはじめ、唇から小さな声が溢れ出す。
丸見えの尻が恥ずかしいと思っていられたのも最初だけだった。
部屋中にパシン、という乾いた音が十回以上響くと、何故だかまことのペニスは芯を持ちはじめて佐助の腿を押し返すようになってしまう。
打たれている内にピリピリと痛痒く腫れぼったくなった尻たぶを「まこちゃん、お尻真っ赤になっちゃった」とそっと撫でられるともうたまらない。
皮膚が一枚はがれてしまったように過敏になったそこからぞわりとしたモノが睾丸を通りペニスの先へと走っていく。
「んあぅ!ひゃ、ンッ、ひっ、ご、ごめんなさいっ!ごめんなさいぃっ!」と堪えきれなくなった喘ぎ混じりに泣き叫ぶと、幸村も一緒の時は「さ、佐助!もうよいだろう!」と止めてくれるのだが、運悪く二人きりの時などはそのまま尻の狭間に指を差し込まれ、ヒクヒクと戦慄き始めている穴をほじられて、なし崩しになってしまう。
佐助さんの打ち方がおかしいのか、自分自身がおかしいのか。
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